バイバイ、ブラックバード
伊坂 幸太郎 著 双葉社 / 2010.7
太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。
1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに。
借金トラブルの末、<あのバス>に乗ることになった星野。
<あのバス>に乗る前に、“彼女たち”にきちんと別れを伝えたいと、星野の監視役・繭美とともに、
5人の彼女たちのもとへお別れ行脚に行く。
それぞれにお別れをし、いよいよ<あのバス>へ乗る日がやってくる。
伊坂さんは太宰治の『グッド・バイ』から想像を膨らませたそうですが、私は真っ先に映画を思い浮かべてしまい、なんともはやのすれ違いになってしまいました(汗)。
が、出てきましたね、歌詞が。
佐野さんの涙に思わずもらい泣きしそうになりました。
も~、ラストが気になって気になって、本当に気になって先にラストを読んじゃおうかと思ったくらい気になりましたが、期待していたサプライズ的なラストは待ち受けておらず、ちょっぴり残念な気がしないでもなく…。
でも、繭美ちゃんの颯爽とした(しているであろう)姿が瞼に浮かび、とても清々しいラストを感じることが出来ました。
その繭美ちゃん、男言葉を使うのに、自分のことはちゃんと“私”というあたり、ちょっと可愛いです。
拉致された時に頭を打ったので大丈夫かな?と、思わぬ展開(繭美ちゃん死亡とか)になったら大変だーーっ!と本気で心配しました。
久しぶりに伊坂ワールドを楽しんだな~というのが実感ですね~。
本当に伊坂さんの世界観は感心します。