PK
伊坂 幸太郎 著 講談社文庫 / 2014.11
彼は信じている。時を超えて、勇気は伝染する、と、人は時折、勇気を試される。
落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。
その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。
勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。
三つの物語を繋ぐものは何か。
読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。
PK
超人
密使
久しぶりの伊坂さんでした。
面白かったーーーーーっ!!
中編3編なんだな~とちょっとガッカリしていたら(私は長編が好きなので)、連作だったので読み応え十分でした。
それぞれを読み終えた時の感想です。
『PK』、面白かったです、壮大で。
結局、小説家(大臣のお父上)の原稿はどうなったのか?そもそも編集者の目的は何だったのか?それとも、小説家の心配し過ぎだったのか…。
で、大臣を脅かしていたものはなんだったのか?と解明されない事柄が多い中、大臣の秘書が次郎くん?という結末に、全て流されました。
勇気は伝染する…、しかも、長い年月を経て…という壮大なお話は素晴らしいと思いました。
ところで、大臣にSPは付いていない?
『超人』、これは連作なんですね。
伊坂さんお得意のリンクかな?とも思いましたが、時間軸の異なる連作でした。
いいですね、やはり壮大なお話で、『密使』で全てクリアになるのかな?とワクワク感でいっぱいです。
で、毬夫を助けた『俺』って誰?大臣にSPは?(笑)
『密使』、あらまぁ~!
これはSFでした!
ゴキブリのタイムトラベルによる過去の選択(?)といった感じでしょうか?
どうりで、小説家の浮気発覚の現場(自宅にかかってくる電話)が『PK』と『超人』で違っていて、小説家は2回も浮気したのかな?なんて思っていたのですが、なるほど~でした。
他の謎も、まぁ~、あやふやというかおぼろげというか、既にどうでもいいこと…と思わせるのも凄いですね。
かなり面白かったです。
やっぱり伊坂さんは面白いな~というのが感想でした。