エッセイ:「百合子との対峙(20)」2016.09

賞味期限後のでしゃばり権力者、押しや脅しで組織を牛耳る者、これらに共通する特徴は利権にことである。お裾分けを施す親分風を吹かせてモンスターに成長。独断で即決できる彼らは、組織からは重宝がられ本人も有頂天になる。真面目で良識的な取り巻きは、いつの間にか彼らの腰ぎんちゃくに成り下がる。
前者は五輪大会組織委員会会長の森善朗・元総理、後者は内田茂・前都議連幹事長である。読者の皆様もすでにマスコミ等で彼らの目に余る所業(好ましくない振る舞い)については十分ご存知だと思う。 両者は20年来の盟友らしいことが週刊誌等で報じられている
記憶にあるのは、反森の尖兵で総理候補、YKKの一人であった”加藤紘一の乱”(2016.9月9日、死去報道)。悲痛な声でめに入ったのが谷垣・前総裁・前幹事長である。失言が多くマスコミからは叩かれ、森内閣は史上最低の国民支持率が続いたのである。
かって”子供は小さく産んで大きく育てるのが理想”という滑稽な言葉がった。事業発足には最初低く見せる予算を提出、承認されればしめたもの。後は屁理屈をねながら予算は膨らみ放題だ。”予算を獲得できる役人が有能”と言われる役人の手段であり、ある種 ”しのテクニック”だ。
テレビのワイドショー等で明らかにされるつつある。オリンピック競技会場と道路の膨らむ一方の工事費、さらには豊洲市場の移転問題である。これぞまさに利権の温床、美味しいご馳走に群がる構図である。
ゼネコンとの癒着もさることながら、自からが関係する企業に工事が落札されているやに聞くと、憤懣やるせないのが国民的感情ではなかろうか。

”都民ファースト”を旗印にこれらの利権保守勢力のやり方に立ち向かう小池百合子都知事は、英仏戦争での救世主ジャンヌ・ダルクのようにも見えて頼もしい。
何をして彼女をここまで頑張らせるのだろうか。しかもブレーンの一人と言われる、もと検事、東京地検特捜部出身の自民党・若狭勝議員を巻き込んで。
12回目の都オリンピック調整会議、これまで森善朗氏が座長で開催されていた。これを小池知事が座長を奪い取り(本来都が主催する会議)、情報開示のもとに公開でスタート。
会議では森氏は自分専用のマイクを使うこと嫌い、小声でぼそぼそとしゃべる。まるで別人である。会議の内容が公開にされ、自分のペースでしゃべれなくなるとこんなに違うものだろうか。
”豊洲市場の移転延期でも、オリンピック道路の完成が間に合うようにして欲しい”という内容だった。何が何でも自分が仕切りたいとする傲慢な態度が読める。
虎ノ門からのオリンピック道路(未完成部分800m)は築地市場の跡地を地下で通すため完成まで4年かかるというのである。私のような度素人でも何で4年も掛かるの、おかしいと感じていた。テレビのワイドショー番組に出演した専門家が2年もあれば完成できるから何の問題もないと断言した。
どういう根拠でわずか800mの道路に4年かかるというのだろうか。とどのつまり、築地移転の遅れによる工事期間短縮、工事の難攻などを理由に工事費を吊り上げる口実にするのではないかと、下衆は勘ぐりたくもなる。
細かい話になるが、オリンピック選手村から新国立競技場まで、オリンピック道路(一部未完成で推定時間)とその代替として銀座通りと交差する晴海通りを使った場合を比較した。一番混雑する時間帯を選んで、ベテランのタクシー運転手による試走の結果は、両方の差はせいぜい5分前後(20分~25分程度)だったという。極論をいえば、オリンピック道路がなくても、何とかなるということだ。
日本人の完璧な”おもてなし”主義を考えればオリンピック道路の完成はやむをえないのかなとも思う。しかし、役所の無責任ぶりはどうにかならないだろうか。役人の能力不足をのためにゼネコンなどの業者の言いなり(期間、工法、工事費等)である。
オリンピック開催や豊洲市場移転の費用は国民の税金である。それをあろうことか無責任・無能な役人やそこに付け込む利権狙いの一部の政治家によって無駄に使われる。
老朽化と不衛生な築地市場から豊洲市場への移転。ところが土壌汚染で食の安全も大きな問題が持ち上がった。これまで汚染土壌を取り除いて盛土をしたとの報告が虚偽であったとする新事実が判明したのである。
一方、五輪競技会場の工事費用が何倍にも膨れ上る。その理由を人件費と資材の高騰で説明するのは無理がある。 工事人・スタッフ等の賃金が何倍にも膨れ上がっているという話は聞かない。20年もデフレが続いた日本で、資材が何倍にもなっていると言う話も聞かない。それどころか、鉄鋼に限れば中国の過剰生産で国際価格は暴落し、世界中が困っているのが現状だ。
日本は1000兆円を超える借金を抱えた”借金王国”である。こんなに借金を抱えていても国も国民もまるで人ごとのように悠々と構えていられるのは何故だろうか。不思議である。巷間言われている、日本人の総資産が2460兆円(金融資産:1433兆円、非金融資産:1027兆円)を超えているからかも知れない。
高齢化社会を向かえ医療・介護、年金などの社会福祉予算は増加の一途をたどるばかり。
にもかかわらず、消費税10%は見送られた。増税を好む国民などほぼいない。また、与党議員でも選挙を考えると本心はやりたくない。過去には、増税で政権をつぶした総理もいたくらいでいやな役柄だ。
小池都知事の狙いは、将来総理大臣を狙っていることは多くの専門家の一致するところだ。国連の公用語にアラビア語が加わわることを知ると。彼女は関西学院大学を中退しカイロ大学に入学。卒業後アラビア語の通訳として活動(PLOアラファト議長、リビアのカダフィの会見インタビュアー、中東諸国の国王らとの商談等)。
テレビのニュースキャスターを務め、1993年 日本新党に入党し、比例区で参議院当選。
その後は新進党、自由党、保守党、保守クラブ、自由民主党などを見事に遍歴する。
これをどう評価するかは皆さん方次第である。私には、彼女は目的意識がはっきりした、少なくとも和合政治家ではないように思われる。
自民党が自分を除名できるならやってみろ。都知事選では自民党が束になって掛かってきても100万票の大差で圧勝。メディアを駆使し度胸が据わった劇場型パフォーマンスは当分民衆の心を捉えて離さないのではなかろうか。

”沈黙は金、雄弁は銀”(沈黙は金ともいう)という諺がある(英国思想家・歴史家:トーマス・カーライルの衣装哲学)。
黙して語らずの戦術を取っている森、内田の両氏と自民党都議会が小池都知事にどう対応してくるか、そのときマスコミや評論家、国民らの反応やいかに。
了

賞味期限後のでしゃばり権力者、押しや脅しで組織を牛耳る者、これらに共通する特徴は利権にことである。お裾分けを施す親分風を吹かせてモンスターに成長。独断で即決できる彼らは、組織からは重宝がられ本人も有頂天になる。真面目で良識的な取り巻きは、いつの間にか彼らの腰ぎんちゃくに成り下がる。
前者は五輪大会組織委員会会長の森善朗・元総理、後者は内田茂・前都議連幹事長である。読者の皆様もすでにマスコミ等で彼らの目に余る所業(好ましくない振る舞い)については十分ご存知だと思う。 両者は20年来の盟友らしいことが週刊誌等で報じられている
記憶にあるのは、反森の尖兵で総理候補、YKKの一人であった”加藤紘一の乱”(2016.9月9日、死去報道)。悲痛な声でめに入ったのが谷垣・前総裁・前幹事長である。失言が多くマスコミからは叩かれ、森内閣は史上最低の国民支持率が続いたのである。

かって”子供は小さく産んで大きく育てるのが理想”という滑稽な言葉がった。事業発足には最初低く見せる予算を提出、承認されればしめたもの。後は屁理屈をねながら予算は膨らみ放題だ。”予算を獲得できる役人が有能”と言われる役人の手段であり、ある種 ”しのテクニック”だ。
テレビのワイドショー等で明らかにされるつつある。オリンピック競技会場と道路の膨らむ一方の工事費、さらには豊洲市場の移転問題である。これぞまさに利権の温床、美味しいご馳走に群がる構図である。
ゼネコンとの癒着もさることながら、自からが関係する企業に工事が落札されているやに聞くと、憤懣やるせないのが国民的感情ではなかろうか。

”都民ファースト”を旗印にこれらの利権保守勢力のやり方に立ち向かう小池百合子都知事は、英仏戦争での救世主ジャンヌ・ダルクのようにも見えて頼もしい。
何をして彼女をここまで頑張らせるのだろうか。しかもブレーンの一人と言われる、もと検事、東京地検特捜部出身の自民党・若狭勝議員を巻き込んで。
12回目の都オリンピック調整会議、これまで森善朗氏が座長で開催されていた。これを小池知事が座長を奪い取り(本来都が主催する会議)、情報開示のもとに公開でスタート。
会議では森氏は自分専用のマイクを使うこと嫌い、小声でぼそぼそとしゃべる。まるで別人である。会議の内容が公開にされ、自分のペースでしゃべれなくなるとこんなに違うものだろうか。
”豊洲市場の移転延期でも、オリンピック道路の完成が間に合うようにして欲しい”という内容だった。何が何でも自分が仕切りたいとする傲慢な態度が読める。
虎ノ門からのオリンピック道路(未完成部分800m)は築地市場の跡地を地下で通すため完成まで4年かかるというのである。私のような度素人でも何で4年も掛かるの、おかしいと感じていた。テレビのワイドショー番組に出演した専門家が2年もあれば完成できるから何の問題もないと断言した。
どういう根拠でわずか800mの道路に4年かかるというのだろうか。とどのつまり、築地移転の遅れによる工事期間短縮、工事の難攻などを理由に工事費を吊り上げる口実にするのではないかと、下衆は勘ぐりたくもなる。

細かい話になるが、オリンピック選手村から新国立競技場まで、オリンピック道路(一部未完成で推定時間)とその代替として銀座通りと交差する晴海通りを使った場合を比較した。一番混雑する時間帯を選んで、ベテランのタクシー運転手による試走の結果は、両方の差はせいぜい5分前後(20分~25分程度)だったという。極論をいえば、オリンピック道路がなくても、何とかなるということだ。
日本人の完璧な”おもてなし”主義を考えればオリンピック道路の完成はやむをえないのかなとも思う。しかし、役所の無責任ぶりはどうにかならないだろうか。役人の能力不足をのためにゼネコンなどの業者の言いなり(期間、工法、工事費等)である。
オリンピック開催や豊洲市場移転の費用は国民の税金である。それをあろうことか無責任・無能な役人やそこに付け込む利権狙いの一部の政治家によって無駄に使われる。
老朽化と不衛生な築地市場から豊洲市場への移転。ところが土壌汚染で食の安全も大きな問題が持ち上がった。これまで汚染土壌を取り除いて盛土をしたとの報告が虚偽であったとする新事実が判明したのである。
一方、五輪競技会場の工事費用が何倍にも膨れ上る。その理由を人件費と資材の高騰で説明するのは無理がある。 工事人・スタッフ等の賃金が何倍にも膨れ上がっているという話は聞かない。20年もデフレが続いた日本で、資材が何倍にもなっていると言う話も聞かない。それどころか、鉄鋼に限れば中国の過剰生産で国際価格は暴落し、世界中が困っているのが現状だ。

日本は1000兆円を超える借金を抱えた”借金王国”である。こんなに借金を抱えていても国も国民もまるで人ごとのように悠々と構えていられるのは何故だろうか。不思議である。巷間言われている、日本人の総資産が2460兆円(金融資産:1433兆円、非金融資産:1027兆円)を超えているからかも知れない。
高齢化社会を向かえ医療・介護、年金などの社会福祉予算は増加の一途をたどるばかり。
にもかかわらず、消費税10%は見送られた。増税を好む国民などほぼいない。また、与党議員でも選挙を考えると本心はやりたくない。過去には、増税で政権をつぶした総理もいたくらいでいやな役柄だ。

小池都知事の狙いは、将来総理大臣を狙っていることは多くの専門家の一致するところだ。国連の公用語にアラビア語が加わわることを知ると。彼女は関西学院大学を中退しカイロ大学に入学。卒業後アラビア語の通訳として活動(PLOアラファト議長、リビアのカダフィの会見インタビュアー、中東諸国の国王らとの商談等)。
テレビのニュースキャスターを務め、1993年 日本新党に入党し、比例区で参議院当選。
その後は新進党、自由党、保守党、保守クラブ、自由民主党などを見事に遍歴する。
これをどう評価するかは皆さん方次第である。私には、彼女は目的意識がはっきりした、少なくとも和合政治家ではないように思われる。
自民党が自分を除名できるならやってみろ。都知事選では自民党が束になって掛かってきても100万票の大差で圧勝。メディアを駆使し度胸が据わった劇場型パフォーマンスは当分民衆の心を捉えて離さないのではなかろうか。

”沈黙は金、雄弁は銀”(沈黙は金ともいう)という諺がある(英国思想家・歴史家:トーマス・カーライルの衣装哲学)。
黙して語らずの戦術を取っている森、内田の両氏と自民党都議会が小池都知事にどう対応してくるか、そのときマスコミや評論家、国民らの反応やいかに。
了
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