エッセイ「マンモスと人類(25)」2020.07

第二波かもしれない新型コロナの再度の拡大を恐れている最中に、九州地方を中心に西日本は集中豪雨に襲われた。
天災は忘れた頃にやってくるというが、近年は忘れないうちに次ぐから次に襲ってくる感がする。
梅雨前線に発生することが多い線状降水帯の発生や降雨量を予測することは難しいと言われている。洪水はあたりかまわずすべてを飲み込む。そのパワーの前に人は成す術もなく、被災者らは自分の命を守ることで精いっぱいなのである。
中でも、人吉市に隣接し球磨川の下流に位置する球磨村の特養ホーム千寿園では、約70名の老人入居者は急激な増水で職員の必死の努力も及ばず16名が水に飲み込まれ帰らぬ人となった。
その様は、まさに阿鼻叫喚(あびきょうかん;仏教用語)で、悲惨な状況に陥り、泣き叫び助けを求める。入居者も職員も生き地獄を見るようであったと。
この地区一帯では、なんと川の堤防を越えた水の高さは数メートルから10メートルに達したという。
特に熊本県は先の熊本大地震の復興最中に、またしても自然災害に見舞われたのである。“一難去ってまた一難”で一つの災難を逃れてホッとする間も暇もなく、新たな別の災難が降りかかったのだ。
別の言い方をすれば、“弱り目に祟(たた)り目”困っているときに、重ねて神仏の祟(たた)りに合うことで、不運に不運が重なることの例えである。
古来、天災に苦しめられてきた日本人は、互いに助け合い、励まし慰めあうことを含めて様々な表現の言葉を編み出してきた。運がないことの表現は実に数十種にも上る。
こうした天候異変をもたらす原因・大きなファクターは、地球温暖化現象によるものだと言われている。大部分が電力や自動車等のエネルギーとして化石燃料の消費が拡大した結果である。

しかしながら、2018年トランプ大統領は地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」離脱を表明した。
あげくの果てに、地球の気温上昇は人間活動が原因だという説を受け入れてないと述べた。
国連の政府間パネル(IPCC)の評価によると、海が過去25年間世界中で発電に使うエネルギーの150倍もの熱を毎年吸収している入ることが分かった。
つまり二酸化炭素が地球上に及ぼす影響は考えていた以上に大きいということであると。
「海が吸収した熱は徐々に放出されるが、大気に戻る大量の熱を海はため込んでいる」「熱の吸収と放出を司る潮の流れは数百年単位で動いている、つまり海に吸収された熱は数百年単位にわたって放出されることになる」(レスプランディ博士)と。
ところで今年6月、シベリア(ベルホヤンスク;1月の平均気温は氷点下42度で過去最低は-65.6度)で+38度を記録、北極圏で過去最高となる。
北極圏は地球上のどの場所よりも早く温暖化が進んでいると。永久凍土の融解を引き起こし、地下に閉じ込められた二酸化炭素とメタンが放出される。これらの温暖化ガスは更なる永久凍土の融解を引き起こすことになると。
子供の頃、多くの人が新生代(約400万年前~1万年前)から生息した恐竜やマンモスなど大型の哺乳類に興味もち、夢を膨らませたのではないだろうか。
中でも私たちのマンモスのイメージは、シベリアなど極寒の雪の中、長い牙(きば)(4~5メートル)と羊を上回る毛をまとった姿だろう。発掘されるマンモスが永久凍土地帯や化石で見つけられるせいであろうか。
最古のマンモスは400~500万年前アフリカで発生しヨーロッパに北上。さらにアジア、シベリア、南北アメリカ大陸まで広がった。
あんな大きなマンモスが、現在の極寒のシベリアのような環境で生きていけるはずがない。マンモスが生息した新生代の氷河時代にはシベリアなどには冬でも餌である草が豊富にあり、積雪などなかったということである。
ではあのマンモスが約1万年前に突然絶滅し姿を消した理由は何だったのであろうか。
ヒトの狩猟説、マンモスは飲み水不足が原因とする仮説があるが一般的には氷河期末期の気候変動に伴う植物の変化説であろう。
温暖化に伴って大量の雪が降り積もる現在のタイガ(針葉樹)へと変貌した。イネ科の植物を激減させ大型草食動物がシベリアから消えたという推定である。
識者の中には、新型コロナウイルス感染症等の拡大と異常気象の頻発は大いに関係性があると言う。要は“自然をなめるな”ということだそうな。
我々人類の祖先であるホモ・サピエンスがおよそ20万年前にアフリカを出て地球上に拡散していった。数百万年も生息し続けたマンモスさえも地球の気候変動によって絶滅したのである。
人類は産業革命以降わずか150年という猛スピードで現在の社会を築いてしまった。その大部分が化石燃料によるエネルギーの恩恵に負ぶさってきたのである。この結果を人間のもつ英知であると喜んでばかりでよいのであろうか。

第二波かもしれない新型コロナの再度の拡大を恐れている最中に、九州地方を中心に西日本は集中豪雨に襲われた。
天災は忘れた頃にやってくるというが、近年は忘れないうちに次ぐから次に襲ってくる感がする。
梅雨前線に発生することが多い線状降水帯の発生や降雨量を予測することは難しいと言われている。洪水はあたりかまわずすべてを飲み込む。そのパワーの前に人は成す術もなく、被災者らは自分の命を守ることで精いっぱいなのである。

中でも、人吉市に隣接し球磨川の下流に位置する球磨村の特養ホーム千寿園では、約70名の老人入居者は急激な増水で職員の必死の努力も及ばず16名が水に飲み込まれ帰らぬ人となった。
その様は、まさに阿鼻叫喚(あびきょうかん;仏教用語)で、悲惨な状況に陥り、泣き叫び助けを求める。入居者も職員も生き地獄を見るようであったと。
この地区一帯では、なんと川の堤防を越えた水の高さは数メートルから10メートルに達したという。
特に熊本県は先の熊本大地震の復興最中に、またしても自然災害に見舞われたのである。“一難去ってまた一難”で一つの災難を逃れてホッとする間も暇もなく、新たな別の災難が降りかかったのだ。
別の言い方をすれば、“弱り目に祟(たた)り目”困っているときに、重ねて神仏の祟(たた)りに合うことで、不運に不運が重なることの例えである。

古来、天災に苦しめられてきた日本人は、互いに助け合い、励まし慰めあうことを含めて様々な表現の言葉を編み出してきた。運がないことの表現は実に数十種にも上る。
こうした天候異変をもたらす原因・大きなファクターは、地球温暖化現象によるものだと言われている。大部分が電力や自動車等のエネルギーとして化石燃料の消費が拡大した結果である。

しかしながら、2018年トランプ大統領は地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」離脱を表明した。
あげくの果てに、地球の気温上昇は人間活動が原因だという説を受け入れてないと述べた。
国連の政府間パネル(IPCC)の評価によると、海が過去25年間世界中で発電に使うエネルギーの150倍もの熱を毎年吸収している入ることが分かった。
つまり二酸化炭素が地球上に及ぼす影響は考えていた以上に大きいということであると。
「海が吸収した熱は徐々に放出されるが、大気に戻る大量の熱を海はため込んでいる」「熱の吸収と放出を司る潮の流れは数百年単位で動いている、つまり海に吸収された熱は数百年単位にわたって放出されることになる」(レスプランディ博士)と。

ところで今年6月、シベリア(ベルホヤンスク;1月の平均気温は氷点下42度で過去最低は-65.6度)で+38度を記録、北極圏で過去最高となる。
北極圏は地球上のどの場所よりも早く温暖化が進んでいると。永久凍土の融解を引き起こし、地下に閉じ込められた二酸化炭素とメタンが放出される。これらの温暖化ガスは更なる永久凍土の融解を引き起こすことになると。

子供の頃、多くの人が新生代(約400万年前~1万年前)から生息した恐竜やマンモスなど大型の哺乳類に興味もち、夢を膨らませたのではないだろうか。
中でも私たちのマンモスのイメージは、シベリアなど極寒の雪の中、長い牙(きば)(4~5メートル)と羊を上回る毛をまとった姿だろう。発掘されるマンモスが永久凍土地帯や化石で見つけられるせいであろうか。
最古のマンモスは400~500万年前アフリカで発生しヨーロッパに北上。さらにアジア、シベリア、南北アメリカ大陸まで広がった。

あんな大きなマンモスが、現在の極寒のシベリアのような環境で生きていけるはずがない。マンモスが生息した新生代の氷河時代にはシベリアなどには冬でも餌である草が豊富にあり、積雪などなかったということである。
ではあのマンモスが約1万年前に突然絶滅し姿を消した理由は何だったのであろうか。
ヒトの狩猟説、マンモスは飲み水不足が原因とする仮説があるが一般的には氷河期末期の気候変動に伴う植物の変化説であろう。
温暖化に伴って大量の雪が降り積もる現在のタイガ(針葉樹)へと変貌した。イネ科の植物を激減させ大型草食動物がシベリアから消えたという推定である。

識者の中には、新型コロナウイルス感染症等の拡大と異常気象の頻発は大いに関係性があると言う。要は“自然をなめるな”ということだそうな。
我々人類の祖先であるホモ・サピエンスがおよそ20万年前にアフリカを出て地球上に拡散していった。数百万年も生息し続けたマンモスさえも地球の気候変動によって絶滅したのである。
人類は産業革命以降わずか150年という猛スピードで現在の社会を築いてしまった。その大部分が化石燃料によるエネルギーの恩恵に負ぶさってきたのである。この結果を人間のもつ英知であると喜んでばかりでよいのであろうか。

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます