アンドレイ父さんのインタビュー、最終回になります。
A: アンドレイ・ブキン
あなたは今、現役当時のように、戦略的に論考していますね。
A: もちろんです。
その観点からすると、ソチ五輪の後、ロシアフィギュアスケート連盟がエレーナ・イリニフとニキータ・カツァラポフの解散を許容したのは奇妙なことだと思いますか?
A: 私は今でも、あのチームの最大の過ちだと思っていますよ。レーナとニキータは2人の関係にどんな問題があったとしても、一緒にいるべきでしたね。私たちは今も新しく結成されたチームのこととか、彼らがどれだけフィットしているかとかいった議論をしています。イリニフとカツァラポフは最初から完璧な組み合わせでしたよ。2人の間にあったあらゆる問題にもかかわらず、ね。
私は細かいトレーニング・プロセスには立ち入らず、普通の観客として言いますが、イリニフ/カツァラポフ組は私にとって、常に興味深いチームでした。とてもね。たとえどのような状態で試合に出てきたとしても、です。同時に、国内で第一のチームと考えられていたのが誰だったかという点にも疑問の余地はなかったでしょう?
ショーではなく、競技の世界で仕事をしたいと思ったことはありませんか?
A: いいえ。以前は、ナターシャと私は世界中を旅してセミナーをしたり、振付をしたりしていました。今ではそういったことはあまり面白みがありませんね。もちろん、プログラムを振付けることはできますが、私には始める前に、最終的にそれがどのようなものになるのかが想像できてしまうのです。コーチが私の仕事に敬意を払ってくれないというのではなく、要求事項があるからです。プログラムには決まった数の技術的要素をはめ込まなければならず、そのどれもがレベル4でなければなりません。でも私は要素やレベルのことを気にかけないのです。私にとって興味のあるのはアイデアですから。
フランス組のように?
A: そう言いたいのであれば、そうです。彼らのプログラムを見るとき、要素やステップのことは考えないでしょう・・・すべてがとてもソフトでクリーンで心地よく、技術があって美しい。もちろん、私は世界選手権でサーシャ・ステパノワがミスをしてしまったことを残念に思ってはいますがね。もしあれがワーニャだったとしたら驚きはしないのですが。おそらくただため息をついて、「あぁ、これが・・・うちのワーニャだよ」と思うだけのことだったでしょう。けれどもサーシャがあのようなことになるとは思ってもみませんでした。彼女はずば抜けた精神力の持ち主ですから。
けれども何も心配することはありません。教訓ですよ。表彰台に上がるのは易しいことではありません。初出場であれば尚更です。彼らがヨーロッパ選手権で3位になったとき、うちのご近所はきっと朝の5時まで起きていたと思いますよ。喜びのあまり、私が大声で叫んでいたのでね。
ご子息の練習には行かないということでしたけれど、彼のプログラムに興味はないんですか?
A: もちろん興味はありますよ。しかし私は怖いのです。そのプログラムを好きになれなかったり、好きではないと言ったりしたくないのです。
なぜですか?
A: フィギュアスケートの世界では、他人からのありとあらゆる悪口を耳にします。私までそれに加わる必要はないでしょう?
ステージの上で何年も過ごしてきた者として、人は70歳になっても踊れるけれど、誰もそれを見る必要は無いというのを聞いたことがありますよね。
A: まったくその通りですよ。その通り! 私はもうすぐ60歳になりますが、ステージではそのことを完全に意識していますよ。よい眺めではありませんからね。自分をビデオで見ると、非常に腹がたちます。姿勢は悪いし、腕はぶらぶらしているし、膝も良くありません。
それではなぜ?
A: ベステミアノワとブキンを見にきてくださる方々のために。若いという感覚をほんの少しだけ引き延ばしたいのですよ。年を取ってきているというのは明らかで、年々、苦痛が強くなってきています。ナターシャと私が練習のためにリンクでアイスタイムを予約した時、そこにいた誰もがロッカールームでの私を恐怖の眼差しで見ていましたよ。うめき声をあげながら、特別なベルトや膝パットや脛当てを付け、半時間もかけて靴ひもを締め、さらに半時間かけて背筋を伸ばそうとするのです。きっと皆、私は氷に出て行って、ブリキの木こりのようにバラバラになってしまうのではないかと思ったんじゃないでしょうかね。けれども私たちがスケートを始めると・・・昔のプログラムの一部を滑ることにしたのですが、みんなどれほど賞賛してくれたことか。
あなたは他人が何を言おうが、意に介さないということですね?
A: もちろん気にしませんよ。スケートはこんなに楽しいんです!
世界選手権でコケたのがワーニャだったら・・・のくだりには爆笑しました。
「まぁうちのワーニャじゃ仕方ないね・・・」で済まされてしまうのかブキンくん!(笑)
最後の、滑り出す前は本当に大変だけれど、一たび氷に出れば・・・の話はすごく素敵。何だかファンタジーのよう。
一度見てみたいな・・・ナタリアさんと父上。
ボブリンさんのショー、ロシアっ子いっぱい連れて、また日本公演してくれないかな~。
A: アンドレイ・ブキン
あなたは今、現役当時のように、戦略的に論考していますね。
A: もちろんです。
その観点からすると、ソチ五輪の後、ロシアフィギュアスケート連盟がエレーナ・イリニフとニキータ・カツァラポフの解散を許容したのは奇妙なことだと思いますか?
A: 私は今でも、あのチームの最大の過ちだと思っていますよ。レーナとニキータは2人の関係にどんな問題があったとしても、一緒にいるべきでしたね。私たちは今も新しく結成されたチームのこととか、彼らがどれだけフィットしているかとかいった議論をしています。イリニフとカツァラポフは最初から完璧な組み合わせでしたよ。2人の間にあったあらゆる問題にもかかわらず、ね。
私は細かいトレーニング・プロセスには立ち入らず、普通の観客として言いますが、イリニフ/カツァラポフ組は私にとって、常に興味深いチームでした。とてもね。たとえどのような状態で試合に出てきたとしても、です。同時に、国内で第一のチームと考えられていたのが誰だったかという点にも疑問の余地はなかったでしょう?
ショーではなく、競技の世界で仕事をしたいと思ったことはありませんか?
A: いいえ。以前は、ナターシャと私は世界中を旅してセミナーをしたり、振付をしたりしていました。今ではそういったことはあまり面白みがありませんね。もちろん、プログラムを振付けることはできますが、私には始める前に、最終的にそれがどのようなものになるのかが想像できてしまうのです。コーチが私の仕事に敬意を払ってくれないというのではなく、要求事項があるからです。プログラムには決まった数の技術的要素をはめ込まなければならず、そのどれもがレベル4でなければなりません。でも私は要素やレベルのことを気にかけないのです。私にとって興味のあるのはアイデアですから。
フランス組のように?
A: そう言いたいのであれば、そうです。彼らのプログラムを見るとき、要素やステップのことは考えないでしょう・・・すべてがとてもソフトでクリーンで心地よく、技術があって美しい。もちろん、私は世界選手権でサーシャ・ステパノワがミスをしてしまったことを残念に思ってはいますがね。もしあれがワーニャだったとしたら驚きはしないのですが。おそらくただため息をついて、「あぁ、これが・・・うちのワーニャだよ」と思うだけのことだったでしょう。けれどもサーシャがあのようなことになるとは思ってもみませんでした。彼女はずば抜けた精神力の持ち主ですから。
けれども何も心配することはありません。教訓ですよ。表彰台に上がるのは易しいことではありません。初出場であれば尚更です。彼らがヨーロッパ選手権で3位になったとき、うちのご近所はきっと朝の5時まで起きていたと思いますよ。喜びのあまり、私が大声で叫んでいたのでね。
ご子息の練習には行かないということでしたけれど、彼のプログラムに興味はないんですか?
A: もちろん興味はありますよ。しかし私は怖いのです。そのプログラムを好きになれなかったり、好きではないと言ったりしたくないのです。
なぜですか?
A: フィギュアスケートの世界では、他人からのありとあらゆる悪口を耳にします。私までそれに加わる必要はないでしょう?
ステージの上で何年も過ごしてきた者として、人は70歳になっても踊れるけれど、誰もそれを見る必要は無いというのを聞いたことがありますよね。
A: まったくその通りですよ。その通り! 私はもうすぐ60歳になりますが、ステージではそのことを完全に意識していますよ。よい眺めではありませんからね。自分をビデオで見ると、非常に腹がたちます。姿勢は悪いし、腕はぶらぶらしているし、膝も良くありません。
それではなぜ?
A: ベステミアノワとブキンを見にきてくださる方々のために。若いという感覚をほんの少しだけ引き延ばしたいのですよ。年を取ってきているというのは明らかで、年々、苦痛が強くなってきています。ナターシャと私が練習のためにリンクでアイスタイムを予約した時、そこにいた誰もがロッカールームでの私を恐怖の眼差しで見ていましたよ。うめき声をあげながら、特別なベルトや膝パットや脛当てを付け、半時間もかけて靴ひもを締め、さらに半時間かけて背筋を伸ばそうとするのです。きっと皆、私は氷に出て行って、ブリキの木こりのようにバラバラになってしまうのではないかと思ったんじゃないでしょうかね。けれども私たちがスケートを始めると・・・昔のプログラムの一部を滑ることにしたのですが、みんなどれほど賞賛してくれたことか。
あなたは他人が何を言おうが、意に介さないということですね?
A: もちろん気にしませんよ。スケートはこんなに楽しいんです!
世界選手権でコケたのがワーニャだったら・・・のくだりには爆笑しました。
「まぁうちのワーニャじゃ仕方ないね・・・」で済まされてしまうのかブキンくん!(笑)
最後の、滑り出す前は本当に大変だけれど、一たび氷に出れば・・・の話はすごく素敵。何だかファンタジーのよう。
一度見てみたいな・・・ナタリアさんと父上。
ボブリンさんのショー、ロシアっ子いっぱい連れて、また日本公演してくれないかな~。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます