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映画『東京家族』について

映画 『東京家族』  優しいひかりに満たされました!(その3)  『第三の男 THE Third Man』 (2)

2013年03月17日 | 映画『東京家族』
映画『第三の男』、観覧車の場面。
ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)が発する言葉、「limelight」も、もうひとつのキーワードだと思う。

これについては、稿を改めて論じるが、読者のみなさんの中には、私たちの映画の見方が、あまりにも、深読みのしすぎだと思われる方もいるかもしれない。それへの反証として、『東京家族 パンフレット』から、この映画の美術を担当された、出川三男(でがわみつお)氏のインタビューの一部を、再録したい。

―『東京家族』を観て、劇中の家屋などほぼ全てがセットであることに気付く観客はそうそういないことでしょう。山田組の美術スタッフの実力に改めて感服いたします。

「監督の意図に沿う画を撮るためには、やはりロケではなくセットを組んだほうがいい。私たちにとっては当たり前のことですね。」

―横浜のホテルの部屋も、板橋の居酒屋もセットです。

「私たちは常に台本を読んで芝居をどう撮るかということを考慮しながら、セットを建てる。今の日本映画界でそれができるというのは、ありがたいことだと思います。ホテルの部屋の窓から見える景色はCG合成ですが、あのシーンにしてもセットで撮らないとああいう自然なアングルにはならない。また居酒屋のシーンは山田さんが訴えたいところだし、これもまた狭苦しい空間の居酒屋にしています。」

ほんもののプロフェッショナルは、さらりと「当たり前」という言葉を使う。
こうして、たくさんの人たちが、画面の隅々に至るまで、心を配ってつくられた一本の映画は、いくら読んでも、読みつくせない世界が宿っている。出川氏は、小津監督の『お早よう』(1959)にも、美術助手として、参加された方である。

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