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映画『東京家族』について

個人的メモ(174)

2023年11月28日 | 映画『東京家族』
 『こんにちは、母さん』⑮


 向島へ往く。あの交通量の多い国道6号線(水戸街道)を一歩入ると、そこには豊かな風景が広がっていた。歩いていくごとに一場面一場面、いろいろな映画の中に入り込んでしまうような感覚になってしまった。すみだ郷土文化資料館では『こんにちは、母さん』のクレジットにあった「炎に覆われる言問橋」と「言問橋浅草側の火炎地獄」が収録された『体験画図録』も購入した。舞が木部へ靴を届けた桜橋の階段もすぐに分かった。何も調べていかなかったので、近くにあったらしい福江の足袋屋のモデルの店へは行かなかった。昭和二年に建てられた薬局を改装したという雰囲気のいい喫茶店に入る。店主に二十年の大空襲では焼けなかったのかと尋ねると、路地二本先は全焼だったと聞いている、と答えてくれた。そして、まさに現在の路地二本先はパレスチナだ。SNSにおける日本の作家や歌人のパレスチナに対する(意図的な)沈黙は不気味である。尤も私は極少数のそれしか見ていないので、一般化はできない。







“イスラエルの片目の将軍ダヤンも「一片の詩は十人の戦士に値する」と恐れおののいている。”

『アラブ文学史』





















































 

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個人的メモ(173)

2023年11月17日 | 映画『東京家族』
 『こんにちは、母さん』⑭




 原作戯曲読了。上演されたのは、2001年3月12日〜31日、新国立劇場。
 

 映画化にあたり、大きく変更された点。




①荻生直文は大学教授を辞めて、牧師になったこと。

“人間性を試される局面は、僕にも何度か巡ってきた。戦争中に、戦後の混乱期に、六〇年安保のときに、七〇年安保のときに。僕はすべてをうまくやった。その時々に、どう動けば得かを考えた。自分にも気づかれないように、まるで、それが自分の意思であるかのように、自分に思い込ませることさえできた。そういうことを繰り返すうち、本当の意思のありかが見えなくなった……”





②「ひなげしの会」は原作では、外国人留学生の下宿先の紹介やトラブルの仲立ち等の活動をしており、李燕(りー・いぇん)という中国人留学生が全編に渡って登場する。その祖父と、福江の夫(昭夫の父)の「八路軍」をめぐる記憶もある。








③イノさんの言問橋の記憶は、福江のものだった。













④ 




から、









になる。











 なお、神崎昭夫は原作を読んでもどうしても、大泉洋さんが立ち現れる(笑)。そして、同じく原作の、ちょっと気弱な荻生直文は、草刈正雄を思い浮かべた。
















































 私は映画を観る前には予告篇以外の情報は極力入れないようにしているが、観終わった後に、「制作発表会見」等を見ると、とてもおもしろい。
















 
















































 

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個人的メモ(172)

2023年11月08日 | 映画『東京家族』




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個人的メモ(171)

2023年11月05日 | 映画『東京家族』







“――イーヨー、パパは帰ってきたよ、相撲はどうだった、朝汐は押したか?”

『新しい人よ眼ざめよ』 大江健三郎























“「テロリズム」を十分に定義した者はいません。この用語の定義をめぐり国連は七〇年代半ばに数年間も論争しましたが、すべてを包括する共通の定義は見いだせなかったのです。”



“すべてのアラブやムスリムにとってイスラエルの行為は国家テロであり、パレスチナ人の行為は、時にはすてばちなテロに訴えることがあったとしても、多くの場合その暴力に対する抵抗なのです。”


二〇〇二年二月七日 ニューヨークにて   エドワード・w・サイード


『暴力に逆らって書く』



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個人的メモ(170)

2023年11月03日 | 映画『東京家族』








“国際社会(西洋諸国)は、ヨーロッパ・キリスト教社会における歴史的ユダヤ人差別と近代の反ユダヤ主義、ホロコーストを、パレスチナ人を犠牲にすることで、贖った。”








































“Zokhrot”







































































































































































































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