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映画『東京家族』について

個人的メモ(132)

2023年07月29日 | 映画『東京家族』
『君たちはどう生きるか』 ③

 つまり何が言いたいのかというと、今回の「主題歌」は、ほんとうに主題を射抜いていたのか、ということである。






 これが主題曲であり、



















 これもそうで、




























 これもそうだ。








































 また、“同じ山の手に住むといっても、(中略)コペル君の家庭も「ずいぶん上流だなあ」と私には思わせるものがありました。” 『岩波文庫版 p.328』


とあるように、今回の観客の主たる層は、自身の二千円の入場料はもとより、その子弟等の代金も難なく出せる人たちであり、そこが『火垂るの墓』とは決定的に違う点であり、好むと好まざるとに関わらず、この層がどう考えるかが、より直截に言えば、この層が戦争をどう考えるかが、今後の日本の進み行きの気分を決めてゆくのであり、その歴史をその層がどう生きるのか、これが主題のひとつだったと私は思う。


































 「主題」の感じ取り方は人それぞれだから、例えば YOASOBI だったら、きっと違う視点から、ひりひりと灼けつくような「主題曲」を提示してくれたのではないか、と空想する。






















































 そういえば、これも「主題曲」だった(笑)。





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個人的メモ(131)

2023年07月28日 | 映画『東京家族』
『君たちはどう生きるか』 ②



 創作者が decade をかけて作り上げた映画に対し、一回観たくらいの者が何かを言うのはおこがましいのであるが、今回私が驚いたのは、映画館の入場料が千円台を超えて、二千円になっていたことである。だから、二千円分の繰り言くらいは良いのではないだろうか。

 今作に限っては、あの映像に対しあの音楽ではなかったのではないか。だったら誰がよかったのかは、クラシック音楽の流れを汲む現代音楽家を追いかけていない私にはわからない。たしか『未来少年コナン』は池辺晋一郎さんだったはずだが、それは朗らかな調性音楽であった。
 であれば、作中の時代と同年代の音楽を使うのはどうだろうか。







『五月の組曲』江文也



 









 また、今まで、米津玄師さんの歌は私にはあまりピンと来ず、 YOASOBI のほうが遥かに時代に響き合っていて感情を持っていかれる。それと、これは完全に言葉と音の選び方に対する私の好みの問題であり、dis-り ではないことを強調したいが、『愛の花』を何度も聴くにはつらいのに対し、back number の『アイラブユー』は毎日聴いても聞き飽きない。



























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個人的メモ(130)

2023年07月22日 | 映画『東京家族』
『君たちはどう生きるか』 (2023.7.21. 京成ROSA)





“この丹比真人とは、いったい何者であろうか。そして、「名をもらせり」とあるが、どうして彼は名を知られないのであろうか。 /  真人、すなわち皇親系である。天武十三年(六八四)につくられた八草の姓の筆頭に「真人」があり、”

『水底の歌』 梅原猛















“君は昨年の夏、お母さんや僕といっしょに房州にいったとき、両国の停車場を出てからしばらくの間、高架線の上から見おろす、本所区、城東区一帯の土地に、大小さまざまな煙突が林のように立ちならんで、もうもうと煙を吐き出していた光景を覚えているかしら。暑い日だった。グラグラと眼がくらむような夏の空の下に、隙間もなくびっしりと屋根が並んで、その間から突出ている無数の煙突は、はるかに地平線の方までつづいていた。熱い風が、その上を通って、汽車の中まで吹きこんで来た。君は両国を出るとすぐ、もうアイスクリームがたべたいといい出したね。だが、東京の暑さがたまらなくなって、僕たちが房州に出かけて行ったあのとき、あの数知れない煙突の一本、一本の下に、それぞれ何十人、何百人という労働者が、汗を流し埃にまみれて働いていたんだ。――それから、東京の街を出て、ひろびろとした青田を見渡すようになって、僕たちはやっと涼しい風を感じ、ホッと息をついた。しかし考えて見れば、あの青々とした田んぼだって、避暑になんか行けないお百姓たちが、骨を折って作ったものなんだ。また実際、汽車の窓から見ていると、”

『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎




















































































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個人的メモ(129)

2023年07月13日 | 映画『東京家族』





































































“ものなべて往きては還りまためぐる森のことはり知るや知らずや”




















“空晴れてふりさけみれば那須岳はさやけくそびゆ髙原のうへ”























































































































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個人的メモ(128)

2023年07月11日 | 映画『東京家族』
① あるきっかけで今、『けいおん第2期』を見返しているけれど、あの、時間が止めどもなくサラサラさらさらサラサラさらさらと流れていってしまう感覚が惹起されるどうしようもないせつなさの感情を表出する作品は、最高度に類まれである。


















































 































































 































































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