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映画『東京家族』について

個人的メモ(359)

2025年08月20日 | 映画『東京家族』
① 前述の本、『逆光』で、「PERFECT DAYS」の脚本を読み始めたら、シーン1で目が止まってしまった。


屋外. 東京の遠景 ― 夜明け

東京湾をのぞむ大きなパノラマ。
生まれたばかりの朝の太陽が水平線の色を変える。





 情景の描写が、まるで小説のような文章で詳細に提示されているとは思わなかった。以前読んだジェームス三木の『徹と由紀子』の脚本のその部分は、もっと簡素に書かれていた。これが映画とテレビ・ドラマの映像の厚みの違いに繋がるのであろうか。
 では、例えば「寅さん」のどの映画でもいいが最後のシーン、地方の神社の初詣のにぎわいのなかで啖呵売をする寅さんの声に、どこまでも青く澄み渡る空とテーマ音楽が重なり、観客の誰もが晴れやかな気持ちになって終わるような、その脚本の場面はどう書かれているのだろう、と思って図書館へ行ってみた。







  















 









 その映画ではないが、やはり、思ったよりもかなり詳しく具体的に脚本は書かれていた。
 最初と最後のシーンを写しておく。



 1 村はずれの道(夢)

 雪が降りはじめている。
 遠くに、柴又村の屋並と江戸川が、墨絵のように見えている。
 道端に佇む地蔵尊。
 貧しい身なりの娘おさくが、酒瓶と風呂敷包みを抱えて歩いて来て、地蔵尊の前に立ち停まり、両手を合わせる。

おさく 「寅地蔵様、どうぞお父っつあんの眼が見えるようになりますように。それから、私の身内や柴又村の人達が幸せになりますように――」

 おさくが祈る地蔵尊の顔は、四角く眼が細い。 


























 72 川沿いの鉄道
 
 山沿いの農家の庭に咲いている白梅。
 近くで鳴く薮鴬。
 冬陽を浴びて流れる川を下に見て、汽車が走る。
 行手遥かに白く輝く山々。
 その山を目指して、白い蒸気を吹きあげ汽笛を高らかに鳴らしながら、寅を乗せた小さな蒸気機関車は懸命に走り続ける――。

 (クレジット・タイトル)

 終



『日本シナリオ体系 6』「噂の寅次郎」(映人社)





































② 『クラシックの迷宮』

 「芥川也寸志の秘蔵音源 ~NHKのアーカイブスから~」(2025.7.26)

「交響管弦楽のための音楽」
芥川也寸志:作曲
(管弦楽)NHK交響楽団、(指揮)クルト・ヴェス


「エローラ交響曲」
芥川也寸志:作曲
(管弦楽)NHK交響楽団、(指揮)芥川也寸志


「nyambe」
芥川也寸志:作曲
(管弦楽)ラモー室内楽団、(指揮)山本直純


「オスティナート・シンフォニカ」
芥川也寸志:作曲
(管弦楽)日本フィルハーモニー交響楽団、(指揮)渡邉曉雄


「オルガンとオーケストラのための「響」」
芥川也寸志:作曲
(オルガン)小林英之、(管弦楽)NHK交響楽団、(指揮)若杉弘















「悲しみと虚無と野獣 ~戦後80年の夏に寄せて~」(2025.8.2)

「リンゴの唄」
サトウハチロー:作詞
万城目正:作曲
仁木他喜雄:編曲
(歌)並木路子、(歌)霧島昇


「朝はどこから」
森まさる:作詞
橋本國彦:作曲
(歌)安西愛子、(歌)岡本敦郎、(歌)コロムビア女声合唱団


「南の風が消えちゃった」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)三木鶏郎


「まつり」
北原白秋:作詞
繁田裕司:作曲
(歌)楠トシエ


「東京ランデブー」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)三木鶏郎


「サムライもワイロなつかし」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)三木鶏郎


「キンキラキン(就職運動の巻)」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)三木鶏郎


「ブギウギ列車」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)楠トシエ


「センチメンタル・タイフーン(台風ブギ)」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)楠トシエ


「太閤記ブギ」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)三木鶏郎


「東京ブギウギ」
鈴木勝:作詞
服部良一:作曲
(歌)笠置シヅ子


「大阪ブギウギ」
藤浦洸:作詞
服部良一:作曲
(歌)笠置シヅ子


「ブギウギ時代」
村雨まさを:作詞
服部良一:作曲
(歌)笠置シヅ子


「ホームラン・ブギ」
サトウハチロー:作詞
服部良一:作曲
(歌)笠置シヅ子


「買物ブギー」
村雨まさを:作詞
服部良一:作曲
(歌)笠置シヅ子


「三味線ブギウギ」
佐伯孝夫:作詞
服部良一:作曲
(歌)市丸


「青い山脈」
西条八十:作詞
服部良一:作曲
(歌)藤山一郎、(歌)奈良光枝


「ルンバ・ラプソディ」
黛敏郎:作曲
(管弦楽)ニュージーランド交響楽団、(指揮)湯浅卓雄


「シンフォニック・ムード から 第1楽章」
黛敏郎:作曲
(管弦楽)ニュージーランド交響楽団、(指揮)湯浅卓雄


「リンゴ追分」
小沢不二夫:作詞
米山正夫:作曲
(歌)美空ひばり


「泣き笑いABC」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)暁テル子


「ミネソタの卵売り」
佐伯孝夫:作詞
利根一郎:作曲
(歌)暁テル子


「これが自由というものか」
三木鶏郎:作詞
三木鶏郎:作曲
(歌)榎本健一、(歌)楠トシエ























「日本 1944」 (2025.8.16)  ※2024年の番組の再放送

「お山の杉の子」
吉田テフ子:作詞
佐々木すぐる:作曲
(歌)安西愛子、(歌)加賀美一郎、(歌)寿永恵美子


「子宝ぶし」
村松秀一:作詞
陸奥明:作曲
長津義司:編曲
(歌)美ち奴、(歌)有島通男


「勝利は翼から」
軍事工業新聞制定:作詞
古賀政男:作曲
江口夜詩:編曲
(歌)波平暁男、(歌)近江俊郎、(歌)奈良光枝


「ああ紅の血は燃ゆる」
野村俊夫:作詞
明本京静:作曲
奥山貞吉:編曲
(歌)酒井弘、(歌)安西愛子


「少国民決意の歌」
大木惇夫:作詞
山田耕筰:作曲
(歌)波平暁男、(歌)酒井弘


「突撃喇叭鳴り渡る」
勝承夫:作詞
古関裕而:作曲
(歌)楠木繁夫、(歌)三原純子、(歌)近江俊郎、(歌)日蓄合唱団


「兵士の序楽」
伊福部昭:作曲
(管弦楽)日本フィルハーモニー交響楽団、(指揮)広上淳一


「サイパン殉国の歌」
大木惇夫:作詞
山田耕筰:作曲
(歌)木下保、(歌)千葉静子、(歌)日畜合唱団


「一億総進撃の歌」
佐藤春夫:作詞
草川信:作曲
(歌)伊藤武雄、(歌)佐々木成子、(歌)日畜合唱団


「比島決戦の歌」
西条八十:作詞
古関裕而:作曲
江口浩司:編曲
(歌)コロムビア合唱団


「歌曲「黄昏」(島崎藤村の詩による)」
草川宏:作曲
(バリトン)田中俊太郎、(ピアノ)松岡あさひ


「歌劇「白狐」(岡倉天心の戯曲による)から「こるはの独唱」」
村野弘二:作曲
(メゾ・ソプラノ)永井和子、(ピアノ)森裕子


「おほむたから」
山田一雄:作曲
(管弦楽)オーケストラ・ニッポニカ、(指揮)田中良和


「交響曲第3番 から 第3楽章」
諸井三郎:作曲
(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)山田一雄






 “この1944年は、日本全体が遂に、最終的に、死の影に追い詰められて、どんどん誰もが死の影にとらわれていった時期になる。”



































































































































































































































































































































































































































































③ 





























































































 TVer で、この『ハッピーラッキーチャッピー』を聴いた。
 軽やかなステップのチャッピーが彷彿とするような、情熱の籠もった素晴らしい演奏であった。
 ギターの音も、とてもいい。





























































⑤ 











 周庭さんが美術系の大学院に通っていたと知り、驚いた。
























































































































































































































 『立風寅さん文庫』 解説 遠藤周作

 “根なし草には祈りがある。「家族」や「同胞」は勿論のことだが、我々が「寅さん」を愛するのは、そこに山田氏の祈りが感じられるからだ。でなければ、すべての喜劇作品はウエル・メイド・コメディで終ってしまうであろう。寅さんのような人間は現実には存在しえない。そして彼を囲む世界は一種の均衡によって成立していることは誰でもわかっている。だからこそ観客は寅さんを愛し、寅さんの世界に心ひかれるのだ。”

 (昭和五十一年十二月)
















































































 




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