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最近はフィギュアスケートと歌舞伎鑑賞記録が主流でござります

新春浅草歌舞伎 昼の部

2008年01月11日 | 歌舞伎
4日に浅草へ観に行ってきました。今回は昼夜通しで…といっても、浅草は夜の部が19時前には終わるので、その後友達とゆっくりご飯食べたりできるのは助かりますね。
まずは浅草恒例お年玉。今年は、勘ちゃん、亀ちゃん、オメちゃんのお年玉がなくて私的には凄く寂しい~。とくにオメちゃんのお年玉は今年も観たかったですね。オメちゃんも自分で「大好きなお年玉がなくて寂しい」と言ってましたし。でも昼の部の獅童君のお年玉も楽しかったです。しゃべり慣れしてる感じが良かった。なかなか盛り上げ上手ですよね。

一、傾城反魂香 土佐将監閑居の場
勘太郎君が又平、亀治郎さんがおとくを共に初役で挑んだ「吃又」、今月一番楽しみでしたが、期待通り一番良かった演目でもありました。千秋楽にまた観るので、またさらに良くなってくれるかな。
絵師土佐将監(男女蔵)の弟子又平は、土佐の名字を望むものの、絵の才能がなく、また吃り癖があり、将監の使者として活躍することも叶わず、死のうとするのですが、最後に手水鉢に描いた自画像がなんと石を通り抜けて裏側へ表れてしまう。それを見た将監が驚き喜んで、名字を与えるという、江戸時代の作品でありながらなんともファンタジックなお話。最後はハッピーエンドなのですが、ここに至るまでが長く結構観ていて辛く哀しいお話なんですよね。又平とおとく夫婦の哀しいからこそ際立つ夫婦愛がこの演目の魅力ですが、勘亀コンビは見事に演じきっていたと思います。特に亀ちゃんの細やかな演技が良かった。あまりに渾身の力を込めて最後の作品を描いたために、又平は手から筆を離すことができないのですが、おとくが又平を宥めながら指をゆっくりゆっくり外して、最後にそっと手を擦ったりするその仕草がとても温かくて、献身的な妻という感じでいいんですよね。ブチ切れた夫に叩かれても責めることなく、自害をするといえば、自分も一緒に死ぬという。こんな女性は今や希少価値だね(笑) 勘ちゃんの又平も気持ちを伝えたくても吃ってしまい上手く伝えられないもどかしさや、絶望していく演技がまさに熱演で良かった。ただ、以前この演目を観たのが、富十郎・芝翫の名優コンビだったので、やはりまだまだ勘亀は若いなとも思いました。あと若夫婦に見える故か、死のうとまで思う悲壮感にちょっと違和感が感じられたかも。富十郎さんの又平は若い修理之助にも追い抜かれた哀しみや、絵の才能が無いという絶望感みたいなものが、切に伝わってきましたからね。ただ名字を許されるというのはこの時代とてつもなく大きいことだったようなので、その辺の価値観をすんなり受け入れて観られるようにならなきゃいけないんだろうなと感じました。
しかし、名字をすでに許されてる修理之助は、狩野元信が描いた絵から出現したという虎を筆で描き消すし、又平は絵を石に通り抜けさせるし、土佐家は絵師というより奇術師なんじゃ…?(^^;

二、弁天娘女男白浪
これは歌舞伎の中ではとても有名な演目ですね。昨日もNHKドラマ「オシャシャのシャン」で松也君がやってましたっけね。
最後に白浪五人衆が傘を片手にずらっと勢ぞろいするところなんざ、かっこいいのなんのって。きっと江戸時代の女子もきゃーきゃー言ってたに違いないね。それに今の五人組戦隊モノのルーツとしか思えない…と、一緒にいった友人Mさんに言ったら大ウケされた。だって一人ずつポーズ決めて名乗るとこなんざ一緒じゃないか。ただしこちらは悪党で向こうは正義の味方ですが(爆)
主役である弁天小僧菊之助を演じたのは七之助君。なんか最近の七之助君は観るたびに上手くなってる気がします。勘ちゃんにもそれは感じられるんですが、七之助君は飛躍力が凄いというか、こちらの期待をいい意味で裏切ってくれる感じです。実はあまり期待してなかったんですよね(ごめん)。でも、今回の弁天小僧はやはり若い美しさがあっていいなと思いました。今の時代で考えればヤンキー五人組ってところでしょうからね。やはり若いほうがいいかな…と(^^; ちなみに一番好きな弁天は現菊五郎さんが菊之助時代にやった弁天小僧。もちろん映像で観ただけですが、すげー美しかった♪ 
愛之助さんの日本駄右衛門は意外にも貫録があって良かったかな。まだまだ若い役も観たいけど、あの声が出るのなら、老け役も今後観てみたいと思いました。
亀ちゃんの忠信は声がお屋形様っぽくてちょっとドキッとしました(笑) 迫力ありすぎ。考えたら今月立役はこれのみなんですよね。

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