海外からの批判が強まって、検察はためらっているのか?
<韓国、産経支局長出国禁止再延長…処分検討中か>
■【ソウル=吉田敏行】産経新聞のサイトに掲載されたコラムが韓国の朴槿恵パククネ大統領の名誉を毀損きそんしたとして、コラムを執筆した加藤達也ソウル支局長が現地の市民団体に告発された問題で、韓国政府関係者は16日、ソウル中央地検が15日付で加藤氏に対する出国禁止措置を再延長したと明らかにした。
聯合ニュースは、地検が10日間隔で加藤氏に対する出国禁止措置を延長してきたとしており、「検察は不拘束起訴、略式起訴、起訴猶予など(処分の)レベルを検討中」と伝えた。■
産経の報道を弁護する最も説得的な言葉は、国境なき記者団の声明だ。それは<「報道機関が政治家の行動に疑問を持つのは当然。国家的惨事(4月の旅客船沈没事故)さなかの大統領の行動のあいまいさは公益に関わる問題だ」と主張。コラムが引用した韓国紙の情報は「インターネット上に載っており、告発対象にもなっていない」と指摘した上で、支局長に対する出国禁止措置も解除するよう求めた>(読売)というものだ。
朝鮮日報にはこんな読者からの質問と記者の回答が載っていた。
<朝鮮日報記者に質問:「空白の7時間」、大統領府の説明は>
■質問:旅客船「セウォル号」沈没事故発生当日の4月16日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の所在が7時間ほど把握されなかったとの疑惑が取り沙汰されていますが、この「空白の時間」について大統領府はどのように説明していますか(質問者:キム・ミョンウク)
回答:大統領府で18回にわたりセウォル号関連の報告を受けたとの説明です。(回答者:金昌均〈キム・チャンギュン〉記者)
国会セウォル号国政調査特別委員会で、与党セヌリ党の幹事を務める趙源震(チョ・ウォンジン)議員が大統領府秘書室に直接問い合わせたところ、次のような回答を得たことが公表されています。
「その日、朴大統領はずっと大統領府の中にいて、ほぼ20-30分おきに国家安保室と政務首席室から書面や電話、メールなどによる報告を受け、必要な指示を行っていた。朴大統領は午前10時に国家安保室から書面で最初の報告を受け、15分後に安保室が再び電話で報告したときには『1人の犠牲者も出さないようにすること』『客室などを徹底して確認し、逃げ遅れる人のないようにすること』などと指示した。朴大統領はこの日午後10時9分、政務首席室から最後の書面報告を受けた」
以上の大統領府の説明によると、この日朴大統領は大統領府の中で執務室と官邸を行き来しながら、セウォル号について18回にわたり報告を受けたとなっています。最初から積極的に説明していれば、今回のような騒ぎになることはなかったのですが、大統領に配慮して説明を控えたため、かえって大統領を困難な立場に追い込んでしまったようです。■
大統領府が詳細な説明をしたのは、産経支局長の事情聴取後のことである。この大統領府の説明が本当かどうかは知らないが、野党から疑念を持たれたとくにきちんと説明していれば、何の問題もなかったはずだ。説明が遅れたのだから、疑念を持たれてもやむをえないのだ。産経の報道は当然のことだ。
朝鮮日報には<「うわさ」の男性、セ号事故当日は漢学者と面会>という記事もあった。その中には・・・・・・
■検察は、携帯電話の発信地位置追跡で、2人が実際に大統領府からかなり離れたソウル・江北地区の某所に一緒にいたことを確認したという。
このため検察は、事故当日に朴大統領が大統領府内でチョン氏と会っていたという内容で加藤支局長が書いた「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という記事の内容が虚偽であると結論付け、加藤支局長を情報通信網法上の名誉毀損で起訴することを検討している。検察は加藤支局長の任期が来月までであることを考慮、遅くとも今月末までに結論を出す方針だ。■
9月中に処分を決めるのだという。韓国検察は、国際的な反響も念頭において、熟慮したほうがいい。
先日は米紙にも警告記事が出た。
<米有力紙「言論の抑圧の実例」と警告記事 韓国政府の恣意的選択「非常に危険」>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140912/amr14091218370015-n1.htm
■【ワシントン=加納宏幸】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は11日、「産経新聞のウェブサイトに掲載された記事が朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)した」との韓国の市民団体の告発を受け、ソウル中央地検が産経新聞の加藤達也ソウル支局長(48)を事情聴取した問題について、「報道の自由の原則を守ることの重要性」を示す事例であると報じた。
記事は「刑事上の名誉毀損に関する法律がいかに言論の抑圧に使われるかの実例」だと指摘。同様の報道をした韓国メディアの記者が事情聴取されず、韓国にほとんど読者がいない外国の新聞の記者が聴取の対象になっていることに疑問を投げかけた。
その上で、旅客船沈没事故で批判を浴びた韓国政府が、加藤支局長の事情聴取によって(1)かつての支配国の組織と戦うことで国内の怒りをそらす(2)韓国の記者が朴氏の危機対応に関する批判記事を執筆することを抑止する-という意図があると分析した。
さらに、名誉毀損罪の適用は、政府が好ましくないと思う被告を選択することができることから「非常に危険だ」と強調。タイでも韓国と似た事例があったことを挙げ、「政治的になることが避けられないため、ほとんどの国が刑事犯罪としての名誉毀損を無効にしている」と指摘した。■
これも説得力のある記事だ。韓国紙は愚かなので、やがて検察の矛先が自分意向かうことを知らない。
話は変わって、交霊の【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】である。
<前代未聞 広告の「●●」、勝手に塗りつぶした!?>
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140915/bks14091518000001-n1.htm
■ついに朝日新聞社の木村伊量社長が記者会見というので早速、朝日本社にかけつけた。案内では「吉田調書問題でのご説明」と言っていたが、当然、それだけでおさまるハズもなく、「従軍慰安婦」問題でも追及されて、謝罪した。
“朝日、落城の夜”だ。
週刊誌、『WiLL』『正論』などの批判について「本社に対して執拗(しつよう)な中傷や根拠のない批判、営業妨害」と報道局長、編成局長が社内メールで社員に説明していたそうだが、この会見を受けてどう説明するのだろうか。
『週刊文春』(9月18日号)、『週刊新潮』(9月18日菊咲月増大号)は4週続けて朝日批判の大特集。
『文春』が「朝日新聞が死んだ日」15ページと池上彰さんが自らのコラム「そこからですか」で「『掲載拒否』で考えたこと」2ページ。
『週刊新潮』はワイド型式の「続おごる『朝日』は久しからず」9ページ、プラス吉田調書問題について門田隆将さん(ノンフィクション作家)が「朝日『大誤報』の決定的証拠」と題して3ページの寄稿。
今週は甲乙つけ難く、両誌を読んでいただくしかない。
『新潮』には広告の●●(黒塗り)について驚くべき情報が。
〈(同誌9月11日号の広告は)「売国」「誤報」の2語を勝手に塗りつぶしたのである〉
話し合いの結果、●●というのはあるが〈勝手に塗りつぶした〉というのは前代未聞。まさに末期症状だ。
『文春』はさすがに足で取材、朝日の社内事情をよく拾っている。
〈木村社長は、九月八日からニューヨークへ出張する予定が入っていた〉〈だが九月七日、木村社長は直前で搭乗予定の便をキャンセルした〉
ということは〈「先週の段階で(中略)謝罪も社長の会見の予定もないと聞きました。ですが、さすがにそういうわけにはいかなくなったということではないか」(朝日記者)〉で、会見。
恐るべし、『文春』の取材力。(『WILL』編集長)■
カラスの鳴かない日はあっても、週刊誌に「朝日」の文字が躍らない週はない。
●気になるニュース
▽<尖閣上陸目指し出港、台風で一時退避 香港の団体>
■沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する香港の団体「保釣行動委員会」の抗議船が15日、尖閣への上陸を目指して香港を出港した。しかし台風15号の接近で海が荒れているため同日夜、香港の港に一時退避した。天候の回復を待ってあらためて尖閣に向かう予定。出港前に代表の羅就氏が記者会見し「上陸したら1~2日間滞在する」と話した。
満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から83年になる18日に到着したいとしている。しかし香港当局は、船が漁船として登録されているため抗議活動への利用を認めず、香港水域から出ることも禁止。公海上に出る前に航行を阻止するとみられる。
同団体のメンバーは2012年8月に抗議船で尖閣に行き上陸した。(共同)■
神風で沈没してしまうのが一番いいのだが。
●訃報
▽<山口淑子さん死去 女優・歌手「李香蘭」・元参院議員>(産経)
■戦時中は歌手・女優の李香蘭(り・こうらん)として知られ、戦後は日本で活動、参院議員も務めた山口淑子(やまぐち・よしこ、本名・大鷹淑子=おおたか・よしこ)さんが7日午前10時42分、心不全のため都内の自宅で亡くなった。94歳だった。葬儀・告別式は親族で済ませた。
大正9年、旧奉天(現瀋陽)郊外の北煙台生まれ。両親は日本人。単身、北京に留学して女学校を卒業した後、昭和13年に満州映画協会の専属女優となって、中国人「李香蘭」として映画デビュー。歌手としても「夜来香」などがヒットし人気を集めた。日本映画「支那の夜」「熱砂の誓い」などにも出演している。上海で終戦を迎え、売国奴の疑いで裁判にかけられるが、日本国籍であると証明され帰国した。
戦後は日本で山口淑子として映画出演を中心に芸能活動を再開し、米国でも「シャーリー・ヤマグチ」として活動。彫刻家のイサム・ノグチ氏との結婚、離婚を経て、外交官の大鷹弘氏と再婚した。33年の「東京の休日」を最後に映画界から引退する。
44年から5年にわたり、フジテレビ系のワイドショー「3時のあなた」で司会を務め、取材でたびたび中東を訪れた。49年、自民党から出馬して参院選に当選し、3期18年務めて環境政務次官などを歴任。著書に「李香蘭 私の半生」(藤原作弥氏との共著)など。同書を題材に劇団四季が上演した「ミュージカル李香蘭」は大好評を得た。平成5年、勲二等宝冠章を受章した。■
産経には「歴史に翻弄された銀幕の麗人」、読売には<「五族協和」の夢と悲劇体験>(評論家、松本健一)との評伝が載っていた。昭和という時代の一つの人生である。私の母の世代の人である。
<韓国、産経支局長出国禁止再延長…処分検討中か>
■【ソウル=吉田敏行】産経新聞のサイトに掲載されたコラムが韓国の朴槿恵パククネ大統領の名誉を毀損きそんしたとして、コラムを執筆した加藤達也ソウル支局長が現地の市民団体に告発された問題で、韓国政府関係者は16日、ソウル中央地検が15日付で加藤氏に対する出国禁止措置を再延長したと明らかにした。
聯合ニュースは、地検が10日間隔で加藤氏に対する出国禁止措置を延長してきたとしており、「検察は不拘束起訴、略式起訴、起訴猶予など(処分の)レベルを検討中」と伝えた。■
産経の報道を弁護する最も説得的な言葉は、国境なき記者団の声明だ。それは<「報道機関が政治家の行動に疑問を持つのは当然。国家的惨事(4月の旅客船沈没事故)さなかの大統領の行動のあいまいさは公益に関わる問題だ」と主張。コラムが引用した韓国紙の情報は「インターネット上に載っており、告発対象にもなっていない」と指摘した上で、支局長に対する出国禁止措置も解除するよう求めた>(読売)というものだ。
朝鮮日報にはこんな読者からの質問と記者の回答が載っていた。
<朝鮮日報記者に質問:「空白の7時間」、大統領府の説明は>
■質問:旅客船「セウォル号」沈没事故発生当日の4月16日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の所在が7時間ほど把握されなかったとの疑惑が取り沙汰されていますが、この「空白の時間」について大統領府はどのように説明していますか(質問者:キム・ミョンウク)
回答:大統領府で18回にわたりセウォル号関連の報告を受けたとの説明です。(回答者:金昌均〈キム・チャンギュン〉記者)
国会セウォル号国政調査特別委員会で、与党セヌリ党の幹事を務める趙源震(チョ・ウォンジン)議員が大統領府秘書室に直接問い合わせたところ、次のような回答を得たことが公表されています。
「その日、朴大統領はずっと大統領府の中にいて、ほぼ20-30分おきに国家安保室と政務首席室から書面や電話、メールなどによる報告を受け、必要な指示を行っていた。朴大統領は午前10時に国家安保室から書面で最初の報告を受け、15分後に安保室が再び電話で報告したときには『1人の犠牲者も出さないようにすること』『客室などを徹底して確認し、逃げ遅れる人のないようにすること』などと指示した。朴大統領はこの日午後10時9分、政務首席室から最後の書面報告を受けた」
以上の大統領府の説明によると、この日朴大統領は大統領府の中で執務室と官邸を行き来しながら、セウォル号について18回にわたり報告を受けたとなっています。最初から積極的に説明していれば、今回のような騒ぎになることはなかったのですが、大統領に配慮して説明を控えたため、かえって大統領を困難な立場に追い込んでしまったようです。■
大統領府が詳細な説明をしたのは、産経支局長の事情聴取後のことである。この大統領府の説明が本当かどうかは知らないが、野党から疑念を持たれたとくにきちんと説明していれば、何の問題もなかったはずだ。説明が遅れたのだから、疑念を持たれてもやむをえないのだ。産経の報道は当然のことだ。
朝鮮日報には<「うわさ」の男性、セ号事故当日は漢学者と面会>という記事もあった。その中には・・・・・・
■検察は、携帯電話の発信地位置追跡で、2人が実際に大統領府からかなり離れたソウル・江北地区の某所に一緒にいたことを確認したという。
このため検察は、事故当日に朴大統領が大統領府内でチョン氏と会っていたという内容で加藤支局長が書いた「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という記事の内容が虚偽であると結論付け、加藤支局長を情報通信網法上の名誉毀損で起訴することを検討している。検察は加藤支局長の任期が来月までであることを考慮、遅くとも今月末までに結論を出す方針だ。■
9月中に処分を決めるのだという。韓国検察は、国際的な反響も念頭において、熟慮したほうがいい。
先日は米紙にも警告記事が出た。
<米有力紙「言論の抑圧の実例」と警告記事 韓国政府の恣意的選択「非常に危険」>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140912/amr14091218370015-n1.htm
■【ワシントン=加納宏幸】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は11日、「産経新聞のウェブサイトに掲載された記事が朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)した」との韓国の市民団体の告発を受け、ソウル中央地検が産経新聞の加藤達也ソウル支局長(48)を事情聴取した問題について、「報道の自由の原則を守ることの重要性」を示す事例であると報じた。
記事は「刑事上の名誉毀損に関する法律がいかに言論の抑圧に使われるかの実例」だと指摘。同様の報道をした韓国メディアの記者が事情聴取されず、韓国にほとんど読者がいない外国の新聞の記者が聴取の対象になっていることに疑問を投げかけた。
その上で、旅客船沈没事故で批判を浴びた韓国政府が、加藤支局長の事情聴取によって(1)かつての支配国の組織と戦うことで国内の怒りをそらす(2)韓国の記者が朴氏の危機対応に関する批判記事を執筆することを抑止する-という意図があると分析した。
さらに、名誉毀損罪の適用は、政府が好ましくないと思う被告を選択することができることから「非常に危険だ」と強調。タイでも韓国と似た事例があったことを挙げ、「政治的になることが避けられないため、ほとんどの国が刑事犯罪としての名誉毀損を無効にしている」と指摘した。■
これも説得力のある記事だ。韓国紙は愚かなので、やがて検察の矛先が自分意向かうことを知らない。
話は変わって、交霊の【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】である。
<前代未聞 広告の「●●」、勝手に塗りつぶした!?>
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140915/bks14091518000001-n1.htm
■ついに朝日新聞社の木村伊量社長が記者会見というので早速、朝日本社にかけつけた。案内では「吉田調書問題でのご説明」と言っていたが、当然、それだけでおさまるハズもなく、「従軍慰安婦」問題でも追及されて、謝罪した。
“朝日、落城の夜”だ。
週刊誌、『WiLL』『正論』などの批判について「本社に対して執拗(しつよう)な中傷や根拠のない批判、営業妨害」と報道局長、編成局長が社内メールで社員に説明していたそうだが、この会見を受けてどう説明するのだろうか。
『週刊文春』(9月18日号)、『週刊新潮』(9月18日菊咲月増大号)は4週続けて朝日批判の大特集。
『文春』が「朝日新聞が死んだ日」15ページと池上彰さんが自らのコラム「そこからですか」で「『掲載拒否』で考えたこと」2ページ。
『週刊新潮』はワイド型式の「続おごる『朝日』は久しからず」9ページ、プラス吉田調書問題について門田隆将さん(ノンフィクション作家)が「朝日『大誤報』の決定的証拠」と題して3ページの寄稿。
今週は甲乙つけ難く、両誌を読んでいただくしかない。
『新潮』には広告の●●(黒塗り)について驚くべき情報が。
〈(同誌9月11日号の広告は)「売国」「誤報」の2語を勝手に塗りつぶしたのである〉
話し合いの結果、●●というのはあるが〈勝手に塗りつぶした〉というのは前代未聞。まさに末期症状だ。
『文春』はさすがに足で取材、朝日の社内事情をよく拾っている。
〈木村社長は、九月八日からニューヨークへ出張する予定が入っていた〉〈だが九月七日、木村社長は直前で搭乗予定の便をキャンセルした〉
ということは〈「先週の段階で(中略)謝罪も社長の会見の予定もないと聞きました。ですが、さすがにそういうわけにはいかなくなったということではないか」(朝日記者)〉で、会見。
恐るべし、『文春』の取材力。(『WILL』編集長)■
カラスの鳴かない日はあっても、週刊誌に「朝日」の文字が躍らない週はない。
●気になるニュース
▽<尖閣上陸目指し出港、台風で一時退避 香港の団体>
■沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する香港の団体「保釣行動委員会」の抗議船が15日、尖閣への上陸を目指して香港を出港した。しかし台風15号の接近で海が荒れているため同日夜、香港の港に一時退避した。天候の回復を待ってあらためて尖閣に向かう予定。出港前に代表の羅就氏が記者会見し「上陸したら1~2日間滞在する」と話した。
満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から83年になる18日に到着したいとしている。しかし香港当局は、船が漁船として登録されているため抗議活動への利用を認めず、香港水域から出ることも禁止。公海上に出る前に航行を阻止するとみられる。
同団体のメンバーは2012年8月に抗議船で尖閣に行き上陸した。(共同)■
神風で沈没してしまうのが一番いいのだが。
●訃報
▽<山口淑子さん死去 女優・歌手「李香蘭」・元参院議員>(産経)
■戦時中は歌手・女優の李香蘭(り・こうらん)として知られ、戦後は日本で活動、参院議員も務めた山口淑子(やまぐち・よしこ、本名・大鷹淑子=おおたか・よしこ)さんが7日午前10時42分、心不全のため都内の自宅で亡くなった。94歳だった。葬儀・告別式は親族で済ませた。
大正9年、旧奉天(現瀋陽)郊外の北煙台生まれ。両親は日本人。単身、北京に留学して女学校を卒業した後、昭和13年に満州映画協会の専属女優となって、中国人「李香蘭」として映画デビュー。歌手としても「夜来香」などがヒットし人気を集めた。日本映画「支那の夜」「熱砂の誓い」などにも出演している。上海で終戦を迎え、売国奴の疑いで裁判にかけられるが、日本国籍であると証明され帰国した。
戦後は日本で山口淑子として映画出演を中心に芸能活動を再開し、米国でも「シャーリー・ヤマグチ」として活動。彫刻家のイサム・ノグチ氏との結婚、離婚を経て、外交官の大鷹弘氏と再婚した。33年の「東京の休日」を最後に映画界から引退する。
44年から5年にわたり、フジテレビ系のワイドショー「3時のあなた」で司会を務め、取材でたびたび中東を訪れた。49年、自民党から出馬して参院選に当選し、3期18年務めて環境政務次官などを歴任。著書に「李香蘭 私の半生」(藤原作弥氏との共著)など。同書を題材に劇団四季が上演した「ミュージカル李香蘭」は大好評を得た。平成5年、勲二等宝冠章を受章した。■
産経には「歴史に翻弄された銀幕の麗人」、読売には<「五族協和」の夢と悲劇体験>(評論家、松本健一)との評伝が載っていた。昭和という時代の一つの人生である。私の母の世代の人である。