中国共産党の3中総会が9日開幕した、と各新聞が伝えている。
10月28日に天安門前で車両の衝突・炎上事件が発生し、6日には山西省太原市で連続爆発事件が起こったばかりだ。北京市内の会場のホテル付近では、警察車両100台以上が配置され、周辺の道路では車両の抜き打ち検査が行われるなど、厳戒態勢だそう。
この会議で習政権は、格差是正や経済成長の維持に向けた改革案を打ち出す考えだという。
中国内では、経済格差や党幹部、役人の不正腐敗や横暴への不満が爆発寸前、もしくは連鎖的に爆発する状態になっている。民族抑圧や人権弾圧への反発、抵抗も根強い。
読売新聞はその間の事情をこう伝えている。
<中国騒乱の陰に格差…陳情門前払いに怒り爆発>
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131108-OYT1T00219.htm?from=popin
<中国山西省での連続爆発や北京・天安門前での車突入など、共産党政権を標的にした事件や騒乱が相次ぐ背景には、社会の隅々に重層的に広がる「格差」がある。党は9日開幕の重要会議、第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で、格差の是正策など経済改革を打ち出すとみられるが、力による統治は一段と強化する構えだ。>
改革案がどれほどの効果があるものかは分からない。腐敗の元凶が改革を実行できりとも思われない。
こんなことまで起きているという。腐敗した医師の殺人である。
<【石平のChina Watch】続発する「医者殺し」に見る社会の病>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131107/chn13110711000004-n1.htm
<先月25日、中国浙江省温嶺市第1人民医院で驚くべき殺人事件が起きた。当医院の耳鼻咽喉(いんこう)科で手術を受けた患者の1人が手術の効果に対する疑問から医院といざこざを起こし、医者の1人を殺し、2人を負傷させた。
数日後、浙江省内の各医院から数百人の医療関係者が温嶺市に駆けつけ「医療暴力反対」の抗議活動を行い、全国数百の医院からも声援する声が寄せられた。1件の医者殺しに対し、全国の医療界がそれほど激しく反応したのには理由があった。今、全国各地で、患者やその家族による医者への暴力事件が多発しているからである。>
空恐ろしい状況である。なぜ医師への殺人、暴力事件が多発するのか?
<北京中米連合医院の陳中華院長は最近、暴力事件多発の最大の原因が医院と医者の「医療腐敗」にあると指摘した。腐敗する医院や医者の理不尽によって追い詰められて暴力行為に及んだ患者やその親族にはむしろ同情すべきだと彼はいう。>
腐敗は、共産党の官僚から地方の幹部、そして医師にまで及んでいるのだ。おそらく、中国のありとあらゆる特権層が腐っているのであろうこれに対して貧困層や権利をないがしろにされている都市や地方住民の氾濫が始まっているのであろう。
考えてみると、中国には権力者や特権階級の賄賂や腐敗がなかった時代があったのだろうか(あったとすれば、共産党の草創期か?)。多くの独裁国家と同じように、腐敗は中国の宿痾(しゅくあ=長い間治らない病気。持病。痼疾(こしつ))なのかもしれない。
これに対して中国政府が行うのは、まず弾圧、力による封じ込めである。そして、こういった出来事を一切報道させず、連鎖を断ち切る報道統制である。
きょうの北海道新聞には、こんな共同電が載っていた。
<中国、政策否定の報道を禁止 党中央が統制強化>
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/503180.html
ネットには短くしか載っていないが、新聞にはこうある。
<6日起きた連続爆破のような突発事件や大衆の大規模な抗議活動が発生しても「上部機関の支持に従い、報道合戦してはいけない」>という内部通知を出したそうだ。
由(よ)らしむべし知(し)らしむべからず 。(「論語」泰伯から》人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい。転じて、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない。)
http://kotobank.jp/word/%E7%94%B1%E3%82%89%E3%81%97%E3%82%80%E3%81%B9%E3%81%97%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%97%E3%82%80%E3%81%B9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%9A
中国伝統の手法なのだろう。大虐殺や反乱・暴動による王朝転覆も、中国の伝統ではある。
10月28日に天安門前で車両の衝突・炎上事件が発生し、6日には山西省太原市で連続爆発事件が起こったばかりだ。北京市内の会場のホテル付近では、警察車両100台以上が配置され、周辺の道路では車両の抜き打ち検査が行われるなど、厳戒態勢だそう。
この会議で習政権は、格差是正や経済成長の維持に向けた改革案を打ち出す考えだという。
中国内では、経済格差や党幹部、役人の不正腐敗や横暴への不満が爆発寸前、もしくは連鎖的に爆発する状態になっている。民族抑圧や人権弾圧への反発、抵抗も根強い。
読売新聞はその間の事情をこう伝えている。
<中国騒乱の陰に格差…陳情門前払いに怒り爆発>
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131108-OYT1T00219.htm?from=popin
<中国山西省での連続爆発や北京・天安門前での車突入など、共産党政権を標的にした事件や騒乱が相次ぐ背景には、社会の隅々に重層的に広がる「格差」がある。党は9日開幕の重要会議、第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で、格差の是正策など経済改革を打ち出すとみられるが、力による統治は一段と強化する構えだ。>
改革案がどれほどの効果があるものかは分からない。腐敗の元凶が改革を実行できりとも思われない。
こんなことまで起きているという。腐敗した医師の殺人である。
<【石平のChina Watch】続発する「医者殺し」に見る社会の病>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131107/chn13110711000004-n1.htm
<先月25日、中国浙江省温嶺市第1人民医院で驚くべき殺人事件が起きた。当医院の耳鼻咽喉(いんこう)科で手術を受けた患者の1人が手術の効果に対する疑問から医院といざこざを起こし、医者の1人を殺し、2人を負傷させた。
数日後、浙江省内の各医院から数百人の医療関係者が温嶺市に駆けつけ「医療暴力反対」の抗議活動を行い、全国数百の医院からも声援する声が寄せられた。1件の医者殺しに対し、全国の医療界がそれほど激しく反応したのには理由があった。今、全国各地で、患者やその家族による医者への暴力事件が多発しているからである。>
空恐ろしい状況である。なぜ医師への殺人、暴力事件が多発するのか?
<北京中米連合医院の陳中華院長は最近、暴力事件多発の最大の原因が医院と医者の「医療腐敗」にあると指摘した。腐敗する医院や医者の理不尽によって追い詰められて暴力行為に及んだ患者やその親族にはむしろ同情すべきだと彼はいう。>
腐敗は、共産党の官僚から地方の幹部、そして医師にまで及んでいるのだ。おそらく、中国のありとあらゆる特権層が腐っているのであろうこれに対して貧困層や権利をないがしろにされている都市や地方住民の氾濫が始まっているのであろう。
考えてみると、中国には権力者や特権階級の賄賂や腐敗がなかった時代があったのだろうか(あったとすれば、共産党の草創期か?)。多くの独裁国家と同じように、腐敗は中国の宿痾(しゅくあ=長い間治らない病気。持病。痼疾(こしつ))なのかもしれない。
これに対して中国政府が行うのは、まず弾圧、力による封じ込めである。そして、こういった出来事を一切報道させず、連鎖を断ち切る報道統制である。
きょうの北海道新聞には、こんな共同電が載っていた。
<中国、政策否定の報道を禁止 党中央が統制強化>
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/503180.html
ネットには短くしか載っていないが、新聞にはこうある。
<6日起きた連続爆破のような突発事件や大衆の大規模な抗議活動が発生しても「上部機関の支持に従い、報道合戦してはいけない」>という内部通知を出したそうだ。
由(よ)らしむべし知(し)らしむべからず 。(「論語」泰伯から》人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい。転じて、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない。)
http://kotobank.jp/word/%E7%94%B1%E3%82%89%E3%81%97%E3%82%80%E3%81%B9%E3%81%97%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%97%E3%82%80%E3%81%B9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%9A
中国伝統の手法なのだろう。大虐殺や反乱・暴動による王朝転覆も、中国の伝統ではある。