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あなたの耳 ― すばらしい伝達器官 Ⅰ 聖書

2020年12月28日 | 日記

あなたの耳 ― すばらしい伝達器官 Ⅰ

見たくなければ目を閉じることができます。臭いを嗅ぎたくなければ息を止めることができます。
しかし,聞きたくないと思っても,耳を閉じることは実際にはできません。
「耳をふさぐ」という言葉は,比喩的な表現に過ぎません。聞くという作用は,心拍と同じように,人間が眠っていても途切れることなく続きます。

実際,人間の耳は,わたしたちが外界と接触を保てるよう四六時中働いています。耳はわたしたちが聞いた事柄を選択し,分析し,判読してからそれを脳に伝えるのです。
人間の耳は,およそ16立方㌢の限界内で,音響学,力学,水理学,電子工学,高等数学などの原理を駆使しながら自らの役目を果たします。


聴力が損なわれていないとしたら,耳にどれほどのことができるか,少しだけ例を考えてみましょう。

□ 人間の耳は,非常にかすかなささやきから,ジェット機が離陸する時の轟音に至るまで,音量の差が10兆倍になっても対応できます。科学用語で言えば,これは約130デシベルの範囲です。

□ 人間の耳は,人でごった返している部屋の反対側で行なわれている会話を聞き取ることも,それに神経を集中させることもできます。また,100人から成るオーケストラの一つの楽器から出た間違った音も感知できます。

□ 人間の耳は,音源の方向の角度がわずか2度変わっても,それを感知できます。二つの耳に音が届くまでの時間とその時の音の強さのわずかな違いを感じ取るからです。
その時間の違いは1,000万分の1秒といったわずかなものかもしれませんが,耳はそれを感知し,脳に伝えることができます。

□ 人間の耳は,およそ40万種類の音を認め,聞き分けることができます。耳の仕組みによって音波は自動的に分析され,記憶の中に蓄えられている情報と照合されます。
ですから,ある楽音がバイオリンの音かフルートの音か,電話をかけてきた人がだれなのかが分かります。

人間の頭の横についている“耳”は,実際には人間の耳のほんの一部で,最もよく見える部分です。ほとんどの人は,耳が外耳,中耳,内耳と呼ばれる三つの部分から成っていることを学校で習い,それを今でも覚えているに違いありません。
外耳というのは,皮膚と軟骨,それに奥の鼓膜に通じる外耳道から成る,なじみ深い“耳”のことです。中耳には人体で最も小さな三つの骨,つまり一般につち骨,きぬた骨,あぶみ骨と呼ばれる,槌骨,砧骨,鐙骨があって,鼓膜と,内耳の入口に相当する前庭窓とをつなぐ橋を形作っています。内耳は奇妙な形をした二つの部分,つまり,房状になった三つの半規官と,カタツムリの形の蝸牛で構成されています。


外耳 ― 整調された受信機

言うまでもなく,耳介は空気中の音波を集め,それを耳の奥の部分に送り込む働きをしていますが,ただそれだけではなくもっと多くの事柄を行なっています。

耳介が渦巻き状になっているのは何か特別な目的があるからなのだろうか,と考えたことがありますか。科学者たちは,耳介の中央にあるくぼみと外耳道がそういう形をしているので,特定の周波数の範囲内にある音が増幅される,つまり共鳴することを発見しました。
それは人間にとってどんな益があるでしょうか。人間の音声の重要な特色の大部分は,ちょうどそれとほぼ同じ周波数の範囲内に収まるのです。* それらの音が耳介と外耳道を通過する時,元の強度は約2倍に増幅されます。ここには音響工学の技術の粋が見られます。

外耳はまた,音源を突き止める人間の能力の中の重要な役割を果たしています。先に述べたように,頭の右ないしは左から来た音は,二つの耳に届く時の強さと時間の差によって確認されます。しかし,後ろから来る音はどうでしょうか。
その場合も耳の形がものをいいます。耳の端は背後から来る音と互いに影響し合い,周波数を3,000ないし6,000ヘルツ減少させ得る形になっているので,これによって音の性質が変わり,脳はそれを,後ろから来たものと解釈するわけです。
頭上からの音も変わりますが,周波数帯は背後からの場合とは違います。


中耳 ― 機械工学の夢 へ続く>>>