建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

建築主とのトラブルと解決シリーズ 第4回

2012年07月27日 | 工事監理

「町つくり」修景工事で工事監理をしている中で建築主とのあいだでトラブルになった問題をシリーズで掲載します。
(工事完了時の報告書の1部を抜粋して掲載しております。)

第4回 外部の塗装色について

  • 外部の木部と壁の色について見本を提出して選んでいただきましたが、 それまでの経過から、設計事務所の選択ではお気に召さないと思い、御社にアドバイスなしでお願いしました。選択された木部の色はまったくの黒で、建築の常識では考えられない色となってしまい、事務所の言うことは聞き入れていただけない雰囲気でしたので、修景事業の補助対象にもなっていた為、市役所にも相談して、改めて色を決めさせていただきました。
  • 色の選択についてはデザインセンスで選択することになりますし、建築のように小さな見本で大きな部分を塗った場合、見本で見た色とはかなり違った色に見えてしまいます。その為、色決めについては専門家でも大変難しい状況です。御社のどなたが黒色を決めていただいたのか知りませんが、デザインセンスが多少でもあれば、黒色を選ぶことは無いはずと思い選んでいただきましたが、決めた色を見て愕然としてしまいました。
  • 通常施工会社は建築主の指定した色はそのまま塗ってしまいますので、監理建築士が付いてアドバイスをしなければ、修景事業の補助金も出ない方向に進んでしまいました。

建物の色決めは常日頃行なっている我々でさえ苦労しています。建築主の性格や好みと建物の特徴等を加味して決定しますが、コミュニケーションがうまく取れないていない建築主に対してアドバイスなしで色見本だけで選択していただくと周囲の状況や建物の特徴等の重要な要素や施工性を考慮できずに決定者本人の感性だけで決めてしまう傾向が強く、今回はその典型的な状況となってしまいました。

設計事務所のアドバイスに対して聞く耳を持たない建築主の典型的な悪例となってしまい、変更を求めても修正していただけない状況となった為、止む終えず補助金の対象から外されてしまうという最終手段に訴えて変更していただき、事なきを得ました。


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