建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

マンション購入のチェック項目シリーズ 第3回騒音について(2)

2013年02月18日 | 共同住宅をつくる

内覧会で表面的な傷や機能不備が見つかって直すことはもちろんですが、
もっと根本的な問題についてきちんと見ておく必要があります。

マンションを購入する方はその辺の建物の建設時の問題点を確実にチェックして購入しなければ後悔することになってしまいます。

シリーズ2回目は各種の騒音について考えてみます。
マンションの内覧会で購入者が音についてチェックできるようにしている販売業者は少ないと思います。
施工技術が向上して販売業者は音については問題ありませんと説明すると思いますが、通常鉄筋コンクリートの建物で隣家や上下階の家の音は気にならない程度かと思っている方がいらっしゃるかと思いますが、建物の建設方法によっては隣家のしゃべり声やTVの音なども聞こえてくることがおあります。
マンションの騒音の主なものは次のようなものがあります。

上階の足音等の振動音
隣家のTVや話し声等の共鳴音
排水管の排水音
空調機器屋外機の振動音

前回に引き続いて騒音の問題についてお伝えします。

排水管の排水音
マンションでは上階の水回りの排水を流すための排水管が建物の中のパイプシャフト(PS)に設置されています。
PSは建物を縦方向に貫通しているために建築基準法では防火上の防災措置として厳しい規制がありますが、
音については以前よりは環境基準が厳しくなってきて技術上も性能がアップしてきていますので、通常の施工をした場合はあまり問題はありませんが、
内覧会ではチェックしておく必要があります。

上階の排水管が購入した部屋のどの場所にあるかを図面で確認し、実際の部屋内の位置を確認して、
上階の部屋から通常使う範囲の水より多めの水を流して、その部屋内で排水音が聞こえるか確認します。
聞こえた場合は聞こえないように処理をお願いしてください。

排水管の排水音は施工上はほとんど聞こえないようにする施工技術が出来上がっていますから、
普通に施工した場合は問題は起きませんが、念のため確認しておく必要があります。

空調機屋外機の振動音
空調機の屋外機はコンプレッサーのモーターを回すことで、熱の発生等の機能を発揮させています。
このモーターが回転するときに振動が起きて、その振動がコンクリートの壁を伝わって騒音となって響いてきます。
この振動音は最初のうちは分かりにくいのですが、夜寝ているときなど回りが静かな時に聞こえてきて精神的な不安感を与える厄介な音です。

内覧会の時にはこの振動音は確認できないでしょうが、騒音を確認して1年以内であれば瑕疵担保期間で無償修復は可能ですので、
確認できたらできるだけ早く施工者なり分譲業者に連絡することが必要です。

この機械振動音は建物のどこかで機器の防振施工がされていない機器があり振動が発生している場合、建物全体に伝わってしまうので、
戸の振動音が出た場合には管理組合で対処する必要が出てきます。

設備関係の騒音は施工上の問題が大きくかかわっていますので、発見後は速やかに分譲業者や施工者に連絡して対処していただく必要があります。
「我慢できるし、面倒だから放っておく!」ようなことは避けてください。



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