建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

シリーズ共同住宅をつくる 第8回 「住まい」としてのマンションの平面計画(5)

2012年12月13日 | 共同住宅をつくる

水回りの配置による制限の問題

既存マンションの水周り設備室は1度建設されてしまうと、リフォーム時に移動できなくなってしまうことはシリーズ第3回の「既存マンションの平面計画の水周り」で説明していますが、水回り室の変更ができなければ、住まいとしての機能が時間経過によって対応ができなくなり、新しい設備機器に入れ替えて場所も移動することが簡単にできず、大変無駄な事態になってしまいます。

             

  

 

上側の2種類の計画のパイプシャフトの位置は赤丸の位置に有り、トイレ・浴室・キッチンの位置に関係なく。このPS内には排水縦管が収容されており排水管の位置が平面計画の変更に影響はありませんし、管が老朽化して交換しなくてはならなくなった時も住まい内部で直接配管交換することはありません。

それに引き換え下側の従来のマンションでは部屋の中央部に排水管PSが有り、上下の階ともつながっており、このPSが邪魔をして平面計画の変更は全くできない状況です。

マンション内の「住戸」を「住まい」として愛着を持つ意味でも空間の自由な使い勝手を確保するために、余裕を持った建物構成にする必要性を欠くことはできません。            

 



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