建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

マンション購入のチェック項目シリーズ 第1回構造について

2013年02月13日 | 共同住宅をつくる

内覧会で表面的な傷や機能不備が見つかって直すことはもちろんですが、
もっと根本的な問題についてきちんと見ておく必要があります。

マンションを購入する方はその辺の建物の建設時の問題点を確実にチェックして購入しなければ後悔することになってしまいます。

マンション購入時の基本的なチェック項目
1.構造の問題
2.騒音の問題
3.結露の問題
4.漏水の問題
5.悪臭の問題
6.機器の機能不全の問題
7.仕上げ状況

 シリーズの1回目として構造の問題について考えてみました。

通常のマンションは鉄筋コンクリートか鉄骨鉄筋コンクリートで建設されており、一般的には購入者がチェックしようのない部分ですが、
姉歯事件ではまさしくこの見えていない構造部分の欠陥により貴重な財産を失った人が数多くいます。

構造は建物の根幹をなすものでこの部分を人任せにすることはできないはずです。
本来は工事中に現場の鉄筋や鉄骨の状況をコンクリートを打設する前に構造図面と見比べて、合っているかを確認することが大事です。

マンション購入の内覧会の時期にはこのようなチェックはできませんから、購入契約を早めに行って建設途中の自分の購入した区画の配筋を
自身の目で見て確認することが重要です。
工事中に現場チェックができない場合は、通常建設会社では隠れてしまう構造体の鉄筋や鉄骨について各部材ごとに配筋状態を写真に撮って保存していますので、内覧会の時に構造体の配筋写真と構造図を見比べてみてください。

コンクリートについても特に塩分濃度についてはチェックしておく必要があります。
塩分の入っているコンクリートは建設後5・6年で内部の鉄筋がさびてきて、その鉄筋を包んでいるコンクリートがボロボロになって、著しく強度が落ちてしまいます。
山陽新幹線の高架のコンクリートがボロボロになった件も海砂の塩分をきれいに洗って使わなかったために起きた現象です。
コンクリートの塩分濃度についてはコンクリート打設時に生コン業者と建設業者が立ち会って確認して記録を取っていますので、内覧会の時に検査記録を閲覧して説明を受けることが必要です。JISの規定では0.3kg/㎥以下となっています。

構造は1か所違うところがあればその階全体に影響が出てくる可能性がありますから、購入者代表者が階ごとにまとめてチェックするか、
第3者の信頼おける工事監理者にチェックしていただき報告をしてもらうことが必要です。

基礎についても検査結果報告書を確認する必要があります。
杭を設置している建物では杭の種類によっても検査方法は違いますが、基本的には杭が固い地盤に到達しており、設計図に示された状況に設置されていることを
ボーリング調査報告書や杭の打設報告書・現場写真を見て確認する必要があります。

上記問題は通常工事監理者が確認して建築主に報告することが義務つけられていますが、分譲マンションの建築主は分譲デベロッパーなので、購入者への報告はありません。

確実に問題のない建物を購入したい場合は、建物性能評価制度の建設評価を依頼することで確認審査機関の技術者が設計図通りにできているかどうかのチェックをして設計図通りの建物ができます。費用は若干上がりますが、そんな方法が安心です。

次回は騒音について考えてみます。

 



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