建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

建築主とのトラブルと解決シリーズ 第8回

2012年08月09日 | 工事監理

忙しくなって更新が遅れてしまいました。シリーズを続けます。

「町つくり」修景工事で工事監理をしている中で建築主とのあいだでトラブルになった問題をシリーズで掲載します。
(工事完了時の報告書の1部を抜粋して掲載しております。)

第8回      ショーウインドー下の物入れの建具について

  • 設計は開きドアで行いましたが、入り口の関係で店舗の内部が狭くなり、より陳列棚を大きく設置する必要性も有った為に、ショウウインドーを陳列棚の高さにあわせて使えるように工夫することで、物入れの建具を変えたほうが良いということとショーウインドー前の陳列棚を加工して移動可能な棚にすることを提案し、物入れの開口をフルオープンにすることで使いやすくするために建具を慳貪方式にすることは契約段階の打合せで村山様の了解を得ております。
  • 素人さんが出来上がってきた状況を見て、感情的に自分の要求を以前から頼んでいたような言い回しで、施工会社のミスで「要求通りのものが出来ていないので、修正して欲しい。」旨の要求をすることが往々にしてありますが、この問題は、確認したところ建設関係の人間は誰も聞いておらず、奥様の発言があったときに初めて聞いたとのことでした。
  • 当初約束の通り、棚を加工して移動可能にし、慳貪方式の建具にしました。因みに移動用のキャスター(車)2個は当事務所で購入しております。

工事開始時点の約束は契約事項となっている為、図面もその通りにできている状況であれば、工事は図面通りに作ることが契約行為となり、建築主が契約時にキチンと要求して図面もその通りできていれば、途中で希望通りにできていないと言われれば修正しますが、工事途中で見えてきてから思っているものと違うとの要求は本末転倒で実際には、工事内容を理解せずに見かけだけで突然要求を変えたものです。

工事においては設計時点の要求が図面に盛り込まれてその図面に従って建物は造られますから、事前に設計者との綿密な打ち合わせをして理解しておかなければ、上記のようなトラブルになってしまいます。

この件は打ち合わせの通りに棚の建具と陳列棚を作って完成した時点では喜んでいただけました。

 


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