建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

建築主とのトラブルと解決シリーズ 第9回

2012年08月13日 | 工事監理

「町つくり」修景工事で工事監理をしている中で建築主とのあいだでトラブルになった問題をシリーズで掲載します。
(工事完了時の報告書の1部を抜粋して掲載しております。)

第9回       玄関のシーリングプラグ設置位置について

  • 玄関のシーリングライトのコンセントは奥様の指示によって設置しましたが、ご指示いただいた位置は玄関ポーチ空間のデザインを決定的に崩壊させる位置となってしまいました。
  •  空間構成の理解できない素人に指示させること事態に問題がありますが、監理建築士の意見を無視しての建築主主導の設置ですので、当事務所では関与できませんでした。

  • 狭い空間の中でその空間に存在する照明(シーリングライト)は空間を決定的に支配する力を持っており、その設置する位置によって、空間に大きな広がりを感じさせる場合と、極端にいじけた空間を演出する効果の2面性を持っています。今回の設置位置はその後者に該当するもので、施工部隊が渾身の力をこめて作り出した玄関ポーチ空間を素人の一人よがりで台無しにされてしまったことは誠に残念です。

限られた空間の中で、照明器具の取り付け位置はその空間の質を決定的に支配する力を持った要素です。
この力を利用することで、取り付ける器具の位置や大きさ形が空間の広がりや格調高さを作り出せることになります。
今回のケースでは監理建築士の意見を無視して電気工事屋さんに直接指示して設置したため、管理者は変更について
意見を控えてしまいました。完成後そのシーリングコンセントのみがぽつんと残されてしまいました。

 


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