感染症疫学の風

感染症疫学について、薬剤師と一緒に語りませんか?

環境感染学会 in 週間医学界新聞

2011年03月15日 | 疫学
週刊医学界新聞3月14日版に先月、2月にパシフィコ横浜で開催された日本環境感染学会のダイジェスト版が掲載されています。
https://mail.google.com/mail/?hl=ja&shva=1#inbox/12eb88b94bd06ea8

耐性菌克服に向けた取り組みと感染症疫学に関するシンポジウムが取り上げられています。

多剤耐性緑膿菌アウトブレイクを経験した大阪大学付属病院、多剤耐性アシネトバクターは福岡大学病院、バンコマイシン耐性腸球菌は西尾市民病院、がそれぞれ事例とアセスメント、対策を紹介し、次いで、新規薬剤耐性グラム陰性桿菌についての解説を行いました。

サーベイランス体制の構築、院内サーベイランスデータの評価、それに基づく対策、が重要だと強く訴えられていました。

このように、実際に事例を経験した立場で、何が起きていたのか、どう考え、どう対策したのか、を参加者に紹介し共有することで、事例から学び、今後の各施設での対策に生かす。この姿勢こそが、環境感染学会の立ち位置なんだと思います。

実際にデータを評価するためには、データを見る眼、正しく読む力が必要です。
肺炎の起炎病原体の研究を臨床に反映する、ワクチンに関連する数字の意味を理解する、性感染症データの背景と、データの活用、医療施設でのサーベイランスの意義、データ蓄積の重要性、が4人のシンポジストから解説されました。

サーベイランスの重要性、そして、そのための「疫学の視点」の重要性を再認識させる企画でした。

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