感染症疫学の風

感染症疫学について、薬剤師と一緒に語りませんか?

川崎病とスティーブ ジョブズ

2013年11月01日 | 疫学
川崎病の研究者、川崎 富作先生のご講演を聴く機会がありました。
いくつもの学びがありました。

1時間のご講演では、研究の内容を時系列でお話しされました。

最初の1例は1962年のことでした。しょう紅熱でもなければ、スティーブンス・ジョンソン症候群にも当てはまらない症例に医師としてであったそうです。翌年に同様の症状を示す2例目を経験し、「急性熱性皮膚粘膜淋巴(リンパ)腺症候群」と名付けられた7例をまとめた論文を発表されました。
のちに厚生省の研究班で調査が開始されました。

さまざまな仮説がある中で、いまだに原因が明らかではないこの疾患の研究は長期にわたるとても丁寧な疫学研究でした。

最後のスライドはこんな言葉でした。

「若き研究者へ

・医学は厳しく、医療は暖かく
・診察に当たっては、教科書を読む前に、まず患者さんをよく読め」

そして、司会の先生が紹介された、川崎先生の言葉は、「運・鈍・根」

川崎病にであった運、途中5年間研究の進歩が止まってしまったときにも、鈍な心であきらめなかったこと、そして根気。

ここまで紹介されたところで、川崎先生が一言。「まあ、ばかになれ、ということでしょう。」

Stay Foolish!

あれ?スティーブ・ジョブズのスピーチと同じだ。
何かを見つける。どこかにたどり着く。それができる人にだけ見えるものがある。そんな気持ちがしました。

たくさんの勇気をいただきました。
ありがとうございました。

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