Absolute ZERO

オールウェイズ低空飛行(墜落寸前)な精神状態で綴る雑多オタク(主に舞台。あとラノベとアニメと漫画とゲーム)な雑記ブログ。

「はじまりの空」

2007-10-05 23:49:40 | 小説
ピュアフル文庫 『はじまりの空』 楡井亜希子・著


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うわー私恋愛小説読んだの久しぶりじゃないか?
というのが読み終わり直後の感想。普段手を出すことがほとんどないもので。
恋愛がメインの物はライトノベルか、偶に気が向けばハーレクイン読むくらい。
あとは江國香織とか。
ただ、この本どうもライトノベルの感触がするんですよね…。
あまり現代恋愛小説を読んだ気がしない。
具体的に現代恋愛小説とライトノベルの定義を述べよと言われると、
私の個人的な感覚によるものになってしまうので伝えにくいんですが。
主人公が高校生で30代の男に恋してるから、というシチュエーションの問題ではなく(シチュエーションだけならドラマにだってできそうだし。それなら現代恋愛小説の感触のはずなんだ)、主人公の女の子も相手の男性も、なんというか当たり前とは少し違った感覚の持ち主で、恋愛に生々しさがないというか…。
性的な意味とかだけでなくてね。
あー、上手く言えませんが。
あえてそういう話にしてあるんでしょうが、どうにもシチュエーションが相俟ってラノベ読んでるのと似た感触なんですよねー。
一時若い世代に好評だったってのは、だからなのかなと思います。
作風なのか、感動を揺さぶられるというよりは、主人公の話を、あくまで私は私視点で追っていってる感じ。映画見てるみたい。
相手の視点を含め、主人公以外からの描写がまったく出てこないためでもありますが。
これ相手の男視点だったらどう話が進むのかものすごい気になります。
あの時はこんなこと考えてたんだ、とか、主人公のことはこう見えてたのか、とか。
冷静と情熱の間みたいに、2人主人公2冊刊行だったら面白かったのに。
ま、相手の考えが見えないのがこの本の魅力なんでしょうけどね。
普通生活してて対してる相手の考えがまるっきり読めるなんてことないですし。
…しかし、あくまで私視点でも主人公の気持ちは理解できる気がする。
私もこの男現実にいたら好きになってそうだきっと。
傷つくのがわかりきってるのでまず最初から近付きませんが。
っていうかまずいませんがこんな男。
主人公の恋敵にあたる女性は非常に魅力的で是非お近づきになりたいくらいですが。
しかしこんな助成もきっといない。

最終的に恋愛の結末がくっきりと書かれているわけではないのですが、読後感は全体的に素直で、すっきりとしています。
吹き抜ける秋の風みたいな印象。
今の時期に読むのは当たりかもしれませんね。


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