稲城の図書館サポーターみんなのとしょかん Neo

東京都稲城市で「市民の力になる図書館」の発展をめざして活動している市民グループです。

図書館をひらく ~佐賀県立図書館 みんなの森

2023-01-22 11:05:57 | ご存知ですか?
「図書館は市民みんなが利用する施設です。」
というのが常識ですが、本当にそうなっているのかしら?
この情報を知って、利用できない、利用しにくい方々もいらっしゃることに改めて気づきました。

国会図書館「カレントアウェアネス-E」No.450 2023.01.19
に掲載された佐賀県立図書館・馬場麻理子さんによる「佐賀県立図書館「みんなの森」開室について」という記事を何気なく読んで、「"みんな”とは誰なのか」を考えさせられました。

記事によれば、2022年8月22日にオープンした「みんなの森」は、高齢者,障害者,子育て中の人など,誰もが自然体で心地よく読書できるよう配慮された部屋なのだそうです。
部屋は、佐賀県立図書館の一階、玄関ホールのすぐ脇、元は食堂だったスペースに設けられています。

(佐賀テレビホームページより転載)

施設は、床面積約100㎡。
佐賀県では「読書バリアフリー法」に基づいて、2022年3月30日「佐賀県読書バリアフリー推進計画」を策定しており、その施策のひとつに位置付けられています。

記事中一番印象的だったのは、
一番苦労したのは,どのような部屋にするか,つまり部屋のレイアウトである。誰もが読書を楽しめる空間を作るのはなかなか容易なことではなかった。
まず,障害当事者,支援施設職員,医療施設の理学療法士,特別支援教育士,子育て中の人などの声を聞いた。職員同士でも考え方は十人十色である。何度も話し合いを重ね,今できることを一つずつ積み重ねていき,空間を作っていった。
誰もが自然体で入れるよう,そして誰でも,どんなカタチででも図書館をぜひ利用してもらいたいというメッセージを込めた。

という言葉です。
当事者の声に謙虚に耳を傾ける姿勢に共感しました。

室内には司書1人が常駐。授乳室やキッズスペースの他、外部からの音や視線を遮断し、発達障害児らが落ち着くことができる「カームダウンコーナー」が設けられています。
読書支援機器としては本をモニターに大きく表す「拡大読書器」、読み込んだ文章を音声で流す「音声読書器」などを設置。
視覚障害を持つ子どもらが楽しめる「さわる絵本」、書籍の内容を音声や画像などで楽しむデジタル図書「DAISY(デイジー)」などのバリアフリー図書も備えられています。

一度この空間を体験してみたいと思いました。
同館には、「こころざしの森」と名付けられたくつろぎ空間もあるそうです。
九州へお出かけの際はぜひお立ち寄りを!

佐賀県立図書館ホームページ(館内図)
コメント
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