インチ記と褌

駄文をつらねた大変私的なドキュメンタリーブログ
※決して役には立ちません。

21世紀の漂流者

2006-09-23 | 駄文

上の写真を見てみなさんはどう感じますか?予想では「なんだかなぁ・・」と感じる人が多いと思う。
少なくとも好印象を受ける人は多くないはずだ。ワタシはこういうツンな女性好きですけど。
実はこれ、今日9月22日の朝日新聞夕刊の一面。お写真の人は中村うさぎさん。
経歴とかはここらへんで見てもらうとして、
興味深い文章だったので取り上げてみる。

クリスチャンの父親に「欲望に流されるのは罪悪」と植えつけられ、ブランド物を馬鹿にして、成り金趣味を笑って育ってきた。しかしある時作品がヒット、たちまち印税が転がり込んだそうな。その金でシャネルのコートを衝動買いした。それが始まりだったそうだ。カードで代金を支払った時、凄まじい快感に襲われた。店員に最敬礼され、周囲の羨望、嫉妬の眼差しを感じた。これまでにない陶酔感、自己肯定感を脳が味わった。その後は借金をしてでもブランド物を買い漁り、風俗、整形とその道を歩いたそうな。ここまで来ると、物を買う喜びよりも単にたくさんのお金を使う事に喜びを感じるそうだ。「私は消費社会の漂泊者でいたい」と本人が言うように、彼女は今でも何かを求め漂っているように感じる。

大阪なんばに東京から丸井が上陸した。関西初進出のブランドを沢山引っさげ、東京スタイルを貫き通すらしい。TVインタビューに答えていた人は皆この上なく笑顔だった。買った商品を見せる人、鏡の前でポーズをとる人、凄いエネルギーの空間を感じた。「人間は生まれながらに消費する事を欲する」、ワタクシはこう思う。贅沢せずに貯蓄していけば、こんな世の中でも将来安泰だろうにそれをしない動物なのだ。人に良く見られたい、好きな事をしてストレスを発散したい。一時の満足を求めて欲望は止まらない。どこまでいけば人は満足できるのだろうか。

最後にこんな文書を紹介しておきます。理想論ばっかりで現実味がないと偉い方は言うかもれません。
が、現実を見ていないのは案外偉い人だったりするかもしれません。高級外車は2台必要ですか?
「政治家は理想を語れよ!」こんな言葉が私は大好きです。

メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。
その魚はなんとも生きがいい。それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。

すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。旅行者が
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、
漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。

「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、
女房とシエスタして。 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、
歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」

すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、
きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、
漁をするべきだ。 それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、
ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」

漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、
子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、
歌をうたって過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」


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