翌日の朝食を終えると、ゲスト4人は女将ラーの引率でキノコ狩りに出かけることになった。
一時期盛りを過ぎたと思えたキノコが、再び勢いを取り戻したらしいのである。
むろん、番頭さんも同行するつもりだったのだが、急に町での用事が入ってしまい、やむなく断念。
村で採れるキノコの写真などを示して、大猟を祈りつつゲストを送り出した。
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一行が戻ってきたのは、午後1時過ぎ。
大きなビニール袋は、色とりどりのキノコで一杯だ。
全員で村の入り口にある麺屋で昼食を済ませ、たらいに水を満たしてキノコ洗いが始まった。
初体験の健太朗くんと薫さんも、自分の手で数個のキノコを収穫したそうで、キノコを洗う様子も実に楽しそう。
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そのキノコは女将の手で各種の野菜と一緒に煮込まれ、カレン式のゲーン・ヘット(キノコスープ)に姿を変えて、カントーク(タイ式卓袱台)を飾った。
ほとんどのキノコが丸ごと姿を見せる豪快な料理である。
スープの味にはちょっと癖があって心配したが、若い二人も「おいしい」を連発してくれたので、番頭さんもホッと胸を撫で下ろした。
晩飯のあとは、村のはずれにホタル見物に。
時期が過ぎたか、やはり数個のきらめきが見えた程度だったが、明日の朝にチェンマイに戻る若い二人にとっては、とりあえずの有終の美(?)となった。
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さて翌朝、カオトォム・ラープ(豚肉の叩き入りおかゆ)を供して若い二人を町のバス停まで送ったのだが。
なんと、バスが故障して運行できないという。
やむなく、フリーwifiの使えるコーヒーショップで待機してもらい、10時過ぎに出るはずのホート行きのソーンテーオ(乗り合いタクシー)を待つことになった。
ホートまで行けば、チェンマイ行きのバスに接続できる。
いったん家に戻り、10時過ぎに様子を見に行くと、ショップには村からぶらぶらと歩いて来たという伊勢谷さんと安藤さんがコーヒーを注文しているところで、若い二人の姿は見えない。
訊けば、少し前に無事にソーンテーオに乗り込んだのそうだ。
やれやれ。
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そこで番頭さん、安心してネットチェックに取りかかったのだが、伊勢谷さんと安藤さんもネットチェックのあとで、町をぶらぶらしてから昼食を済ませたそうだ。
歩きで宿に戻ってからも、それぞれの流儀でのんびりとした時間を過ごした様子である。
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