昨夜は、珍しくまとまった雨が降った。
起き抜けに小雨の庭に出ると、畑のニンニクやプチ玉葱の葉が急に伸びたような感じだ。
昨年植えたマンゴーの苗が、瑞々しい若葉と花房に露を含んでいる。
カレン族の食卓に欠かせない丸ナスの実も、ぷっくりと膨らんできた。
いつも見慣れた光景が、雨のおかげで妙に新鮮に見えてくるから不思議なものだ。
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郡役所でネットをつなぐついでに、子供たちを学校まで送っていくと、賑やかな音楽に乗って仮装した生徒たちがぞろぞろと出てきた。
校門前では、警官が交通整理をしている。
「あー、なにごとだあ?」
「今日は校内対抗フットボン(サッカーのこと、フットボールをこう発音する)大会があるので、その応援団です」
そういえば、次男も珍しく国王のシンボルカラーである黄色シャツを着ている。
よく見ると、男子生徒は上半身裸に伝統的な腰布とスカーフ、女子生徒はそれぞれに工夫したらしいかなり派手な衣装をまとっている。
せっかく張り切って準備しただろうに、こんな寒い小雨の中では気の毒だなあ。
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朝飯は、鶏肉と庭で獲れた野菜のスープである。
そうなのだった、昨日、ついに黒羽軍団最後の成鶏が弱ってきたので、やむなく締めてしまったのである。
ラーが近所の古老からもらってきた薬草投与も、効果がなかったようだ。
残ったのはなぜか、この母鶏が生んだ全身真っ白(アルビノか、浮気の産物か)、しかも頭の毛が抜けてしまった雛一羽と、彼女が抱いていた5個の卵だけである。
遺された雛の頼りなげなピヨピヨを聴きつつ、さらには抱くものを喪った卵を眺めつつ食す鶏料理は、なんとも侘しい。
「おそらくウイルス性の病気だと思いますが、こうした放し飼いの状態では自然終息を待つしかないのでしょうね。すべての鶏が死んだあと、しばらく様子を見てから、また新たに飼い直すことを考えてみたらどうでしょう」
先日、わが家にやってきた獣医のishiさんからそんな趣旨のアドバイスをもらってはいたものの、ほぼ全滅となると、やはり心は落ち着かない。
寝不足に悩まされていた明け方の鶏鳴も、聴こえなくなるとかえって寂しいものだ。
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売れ残ったくせに、餌だけは貪欲に食べて家計を圧迫する“ブー”。
相変わらずのマイペースで、女王様のように振る舞う“元気”。
先の豊穣祈願祭で、調子に乗って二日酔いになり「病気だ、病気だ」と大騒ぎして私に尻を蹴飛ばされた“誰かさん”。
そんな不遇な家庭環境の中、“雄太”だけが、食卓の脇に伏せをして私の侘しい心象と食事を見守ってくれる(単に、骨のおこぼれを待っているだけか)。
こいつ、愛らしいことに、私が店にいるときはずっと店先で待っていてくれるのである。
「よし、雄太、そろそろ出かけるぞ!」
しかし、雨がまた本降りになってきたせいか、今日はテラスの腰掛けに寝そべったまま動こうとしない。
「こらあ、雄太、お前も俺を裏切るのかあ?」
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風邪のご心配、ありがとうございます。実は、今朝も雨が降って、時間が経つにつれて寒くなってきました。オムコイは、タイから独立した方がいいかもしれませんね(笑)。
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ishiさん
犬のシャンプーは、ラーやポーが川に魚獲りに行ったついでに格闘しながらやっていますから、そんな繊細なことはとてもとても。カレン犬の宿命として、諦めてもらうしかないようです。
雄太寒そうですね.頻回に洗う場合は,脂が落ちすぎないように薄めたシャンプーで洗ってくださいね.泡が少したつぐらいまで薄めてしまって良いですから.脂が落ちると,雨が直接皮膚に当たりますから,寒くなります.
畑もマンゴーもお邪魔したときと見違えるほど大きくなっていますねぇ.光陰矢のごとしですね.
うーーん、オムコイは、タイの中でもやはり変わったところなんでしょうか?
こんな時期に雨が降ると又風邪をひくんじゃないかと思うですよ。