【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【大志朗くん、跳ぶ】

2014年03月28日 | オムコイ便り

 京都の大学でスペイン語を学ぶ大志朗くん。

 夜はコンビニで働いて、旅費も自分で作ったというしっかり者だ。

 高校時代にはメキシコへの留学も体験している。

 話し振りも落ち着いて、とても19歳とは思えない。

     *

 さて、翌朝はまず川向こうの棚田と高台に案内した。



 村の衆の暮らしぶり、農業や自給自足の有り様など、飛んでくる質問もなかなか鋭い。

 前日まで、村のサッカー大会があったことを話すと、さすがメキシコ留学体験者。

「一緒に、やりたかったなあ」

 サッカーは、現地の仲間と打ち解ける上でとても役立ったのだそうだ。

 戻りがけ、橋下の川原に降りてしばし休憩。



「なんだか、夏休みみたいだなあ」

 東京生まれの東京育ち、祖父母の家も東京で田舎の暮らしに触れたことはまったくなかったというのだが、「昔の日本って、こんな感じだったんでしょうか」

 うんうん、その通りなんだよなあ。

     *

 午後からは、従兄のマンジョーや息子のポーを引き連れて滝遊びに。

 滝壺では、若い衆が鈴なりになって飛び込みを楽しんでいる。

 中には、短期出家中の小坊さんもいるぞお。







 大志郎くんも、すぐに裸になって滝壺の下に。



 辺りを見ながら、「みんな、いい体をしているなあ」

 勉強と夜のバイトで忙しい毎日。

 ひときわ目立つ自分の白い肌が、ちょっぴり悔しそうである。



 落ち込みを横切って向こうの岩場に辿り着くと、見知らぬ青年が彼の腕を引っ張り上げてくれた。









 滝壺の上から。

 大志朗くんがよじ登った落ち込み脇の大岩から。

 若い衆が次々に大飛沫をあげて滝壺に飛び込んでゆく。



 しばらく様子を見ていた大志朗くん、意を決したように立ち上がり。

 見事に跳んだ。

 ドボン!

 大きな飛沫があがる。

 心配そうに見守っていた若い衆が、拍手して喜んでいる。

     *

 残念ながら、投網漁の方は大物が獲れず、川原バーベキューはできず。

 それでも、大志朗くん。

 漁の様子を眺めたり、水際の砂を掘って作った濾過式飲み水製造装置(?)に驚きの顔を見せたり。

「本当に、自然と一緒に暮らしているって感じですねえ」

 うんうん、そうなんだよなあ。

 彼の感想を耳にするたびに、彼の父親よりもずっと年上の番頭さん、すっかり嬉しくなって目尻がでれでれに下がるのであった。

      *

 晩飯は、ソムトム・プラーニン(薬草・香草たっぷりレモン味魚スープ)。

 覚えたてのタイ語「アロイ!」を連発だ。

 村の薬草・薬木焼酎も、ぐいぐいと。

 ご飯のお代わりも2度あって、番頭さん、またまた嬉しくなってついつい飲み過ぎてしまいましたとさ。

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