七絵さんは、宮崎を拠点に旅中心の暮らしを楽しんでいるそうである。
今回も、友人が現地の男性と結婚式を挙げたモロッコをメインにして、4ヶ月近くもの長旅を続けているのだとか。
到着初日、あいにく私は風邪の状態がひどく、おまけにラーまで体調を壊して、晩飯以外はほとんどお相手ができなかったのだが、これまでにもアカ族の村などに泊まったことがあるという七絵さん。
悠々たるマイペースで、わが拙著『「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言った』を一晩で読み通してしまったという。
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翌朝は少し体調が戻ったので、定番の展望台散策に案内した。
ちょうど日曜日なので、そのまま村のメインストリートに出て教会での日曜礼拝に。
カレン服に身をまとった村の衆や山奥からの信者たちが、次々に挨拶を送ってくる。
教会バンドの賑やかな演奏に乗って賛美歌斉唱が始まると、七絵さんも手拍子をしたり、体を揺らしたり。
一緒に楽しんでいる様子である。
午後になると、あいにくなことに小雨がぱらついてきた。
七絵さんのリクエストで、わが村を取材したテレビ番組の収録DVDなどをお見せする。
晩飯は、珍しく手に入ったプラーサバ(ノルウェー産鯖)のレモン味スープを供した。
今夜から、先週のローイクラトン(灯籠流し)では自粛延期となった村別対抗ムエタイ合戦が始まる。
7時半になると、ラーが七絵さんを誘って特設リングのあるお祭り広場に向けて出撃した。
様子を撮影するようにカメラを渡したのだが、酔いのせいか興奮のせいか手振れがひどく、なんとなく祭りらしい雰囲気が分るのはこの一枚だけだった。
ナッケー! (カレン語で困ったもんだ)
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翌日の朝食は、代表的なカレン族料理のナムピック・プラー(魚の唐辛子味噌)。
水温が下がって川魚は捕れにくいので、今回は市販のプラトーヌン(アジ)を使った。
熾火で焼いた白身をほぐし、同じく熾火であぶった唐辛子やミニ玉ねぎなどを小臼で搗き込んでいく。
このタレに、湯がいたキャベツ、丸ナス、長豆などをつけて食すのだが、ラ―や村の衆が好むタレはすさまじく辛い。
数日前に挑んだ若いゲスト二人組が悶絶したこともあって、今朝はかなり辛さ控えめだ。
「旅の間は、まとまった野菜がなかなか食べられないので、これはありがたいですね。野菜の甘みと唐辛子の辛さがまじりあって、おいしいです」
女性らしい感想に、こちらも頬が緩む。
食後は、町のフリーWifi施設でネットチェック。
ここはカレン織りなどを売る物産館と併設で、最近はオムコイ産の豆を使って本格コーヒーを入れるスタンドもできた。
七絵さんも試したのだが、なかなかの味だったそうだ。
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午後は早めに、村はずれの滝へ。
段差のある激しい落ち込みを眺めながら、目を輝かせている。
「それなりの装備をしてここを下れば、楽しそうですね」
実は、いま住んでいる宮崎でも夏場には滝遊びをしているそうで、なかなかの野性派らしい。
暑い時季に来れば、村の若い衆と一緒に滝壺への飛び込みを敢行するのではあるまいか。
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さて、晩飯が済むと再びムエタイ観戦である。
実は、ラーは今夜がファラン(欧米人)選手もやってくるメインイベントだと思い込み七絵さんも強く誘っていたのだが、それは明日だということが分かり、話が2転3転し出したのである。
しかし、七絵さんは友人がチェンマイに到着したため、予定を変更して明日朝にはバスに乗らなければならなくなった。
詳しい話はややこしいので省略するが、結局のところ七絵さんは強引に拉致されるような形でリングサイドに突入したらしい。
バンブーハウス定番「巻き込み型生活体験」の嵐に翻弄された七絵さん、本当にごめんなさいねえ。
まあ、結論としては「楽しかった」ということなので、終わりよければすべてよしということにしておこう。
マイペンライだあ~。
なにせ、こんな笑顔(冒頭写真)で超豪華オンボロバスに乗り込んでくれたのだからなあ。
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ラーさんも元気にしてますかU+2048
私の好感度が上がりそうな文を書いて下さってありがとうございます(⌒▽⌒)
また巻き込み型カレン族体験しに伺いますね~
お疲れさまでしたあ。ところで、今年の風邪、誰かさんみたいにしつこくて(笑)、まだゲホゲホやってます。では、またの機会を楽しみに。