ソンクラーン3連休の初日。
明け方に猟銃が散発的に鳴り響いた。
これは、お祓いを兼ねた祝砲である。
起き出す頃には、あちこちの家から古老たちが歌うお祝いの歌が聞こえてくる。
顔を洗いに出ると、ひよこたちが元気に餌をついばんでいた。
昨日、一気に11羽のひなが孵ったのである。
実に、めでたい。
すでに炉に火を熾したラーが、珍しく家まわりの掃除を始めている。
私は、ゴミの整理を命じられた。
なんだか億劫だが、新年なのだから仕方がない。
*
ラーは正月用の特別料理を作ると張り切っていた筈なのに、台所に戻ると息子が卵焼きを作っている。
頭痛がひどくて、予定変更だという。
昨日、里帰りして来た友人や親戚連中に飲まされて、二日酔いになったらしい。
甥っ子の結婚式でも連日の宴会だったのだから、あれほど気をつけろと言ったのに、まったく。
朝飯を喰っていると、大工のノイヌックが「餅米菓子を作るから食べに来い」と誘いにきた。
この餅菓子は黒砂糖とパパイヤの実をからめたなかなか美味いものなのだが、みんなで時間をかけてこね回していく間に、必ず嵐のような焼酎の献杯がくる。
とりわけ、ノイヌックは足腰が立たなくなるまで飲み続けるから、付き合うととんでもないことになる。
結婚式での飲み疲れもあり、「腹下し」ということにしてやんわりと断りを入れた。
*
朝飯を終えると、元村長の家に祖霊供養のお供えにする黒豚の仔豚を見に行った。
バラ肉の網焼きをやっていた婿さんが、いきなり200バーツを突き出す。
何かと思えば、ラーが先日売った蛇の代金なのだった。
3匹の雄豚はお供えにするには小さ過ぎ、手頃なサイズの1匹の雌豚は繁殖のために売れないという。
体長30センチほどの雄豚の言い値は、1800バーツ。
かなりの高値だ。
いかに供物とはいえ、わずか一日で家族、親戚連中の胃袋に収めさせるのは、あまりにも虚しい。
これを生かして再び養豚を始めようかとも思ったが、わが家には豚をペットのように可愛がって、採算を度外視して大量の餌を与える問題の人がいる。
頭を横に振りつつ大きな溜め息をついて、生産性にはとんと縁のないわが家に戻った。
今のところ、村はまだきわめて静かである。
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誕生日、おめでとうございます。タイで誕生日とソンクラーンが重なっては、命の危険があったかもしれませんね(笑』。
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クンターのブログを知らない人でも
なにげに序文を読んだら『これ、面白いかも』って思させる破壊力。さすがクンター、大ヒットの予感!
でも55ページの
プラーニン(皇太子時代の平成天皇…
は今上天皇が宜しいかと…生意気言ってすいません。第二巻も矢継早にお願いしますね!
本のご購入ありがとうございます。おっしゃる通りたくさんの人に読んでもらえればいいのですが。天皇表記については、人それぞれということで。第二巻?うーん・・・。