【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【頼むよ、ニッポン】

2011年09月07日 | オムコイ便り

 日本を襲った台風12号の甚大な被害には頭を垂れるしかないが、タイ各地でも雨季の洪水や地滑り被害が続いている。
 
 報道によれば、7月末から9月6日にかけての死亡者は69人に達したという。
 
 数多くの日本人が訪れるアユタヤでは、河川の氾濫で由緒ある遺跡群が浸水の危機に瀕しているそうだ。
 
 幸い、オムコイではさほど深刻な被害はなく、先月の洪水でオムコイ・リゾートの吊り橋が破壊された程度である。

 むろん、当事者のゴン夫妻にとっては2年前の悪夢の再来となったわけだが、これを見越した再建工事と素早い避難作業で、被害は最小限に抑えられた模様だ。
 
 だが、ラーに言わせれば、昔はこんなひどい洪水は滅多になかったという。
 
 10数年前、山の奥の奥の方まで伐採の手が及ぶようになってから、大雨が降った途端にみるみる川の水が増水するようになったのだそうな。
 
 そう言われてみれば、川に至る急な崖の上に建っているわが家なんぞ、いつ地滑りに見舞われても不思議ではない。
   
       *
 
 それにしても、と思う。

 いかに自然の猛威とはいえ、この絶え間ない悲劇を、どうとらえればいいのだろう。
 
 毎年毎年やってくる台風だというのに、手の打ちようはないものだろうか。
 
 むろん、これまた毎年のように繰り返されるアメリカのハリケーン被害をみれば、これがとてつもない難題であることは言うまでもない。
 
 が、ここタイ、しかもチェンマイ県でもっとも貧しい郡であるオムコイの地から、多くのタイ人が憧憬の念を抱くかの先進国ニッポンの引き続く惨状を眺めていると、「ああ、やっぱりニッポンでも駄目なのか」という大きな無力感にとらわれざるを得ない。
 
 大震災に続いて、今回の台風被害を語るときのタイ人や村の衆の表情は、実に複雑きわまりない。
 
 その口調の裏には、「いまのタイには無理でも、日本ならなんとかできるんじゃないか」という願望と一転しての失望が含まれている、というのはうがち過ぎだろうか。
 
 願わくば、クルマやアニメと同様に、世界をリードする津波・洪水対策技術と手法がわが日本で一日も早く確立され、同じ悩みと苦しみを持つタイを初めとするアジア諸国へと伝播されんことを。
 
 ここは村の衆に成り代わり、ひたすら願い奉りたい。

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