【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【われら動物家族】

2009年09月11日 | オムコイ便り
 今朝は、庭まで霧が降りてきた。

 「これから、どんどん寒くなるんだねえ」

 それほどの寒さでもないのであるが、村人としては異様に寒がりのラーは、さっそく囲炉裏に薪をくべる。

 寒いときはもちろん、腹痛など体調の悪いとき、ラーは必ず薪を燃やして腹や腰を暖める。

 そして、「これは母親が教えてくれたんだよ」と付け加える。

      *
 
 隣家からの“通い夫”を獲得した母鶏が、ついに卵を産み始めた。

 市販のものよりもふたまわりほど小さな、小振りな卵である。

 ラーに言わせると、「この父親はパワーがないから駄目だ。もっと、強い雄鶏を見つけようよ」ということになる。

 産卵用の籠を置いてからすでに1週間経つが、初日から連続で毎日1個ずつ、1日おいて昨日1個を産み、総計5個になったのである。

 まだヒナをかえした経験のない私は、卵が産まれるとすぐに抱卵に入るのだと思っていたのだけれど、母鶏は朝になると籠を飛び出して、一日中“通い夫”と行動を共にしている。

「ラー、こいつは駄目な母親だなあ。ちっとも卵の世話をしないぞ」

「クンター、2~3個じゃあまだ早いよ。6~7個産んだあとで、それから餌も食べずに抱卵に入るんだよ。いまは、旦那さんと毎日メイクラブすることが彼女の仕事なの」

「ふーん。そうか、それならいいけど。俺はまた、お前さんみたいなぐうたら母さんかと思って心配したよ」

「またそんな意地悪言って、もう・・・」

 反論しないのは、もちろん心当たりがあるからに違いない。

       *

 さて、今日も母鶏は5個の卵を放ったらかして美形の“通い夫”とのランデブー(ちと、古過ぎるか)に忙しい。

 それをイライラして見守っている私も暇といえば暇だが、娘を思う父親の心情とはそうしたものではあるまいか。

 米粒を奪い合って喧嘩する鶏たちの仲裁に入り、自分の飯を待ち切れずわれわれの食卓(床に置いた大ザル)のまわりをウロウロする犬の“元気”のしつけに頭を悩まし、まだビッコをひいている“雄太”の足の治療に追われ、雄牛の“ハーレムキング”の統率力に一喜一憂し、赤ちゃん牛にとりついた血吸い虫の駆除に走り回る。

 ときおり大虎に変身する私自身と、しばしば山猿に変身する嫁も加えて、動物大家族は毎日が大騒ぎだ。

 三男のポーだけが、ひとりクールに“闘虫”用カブトムシ調教にいそしんでいる。

☆応援クリックを、よろしく。
タイ・ブログランキング 人気ブログランキングへ



 



 
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【トリプル・ラッキーデイ】 | トップ | 【静かなる大物】 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
卵の大きさ (チョンケオ)
2012-04-01 13:30:32
実は卵の大きさって、雄鶏の強さではなく、メスの成熟度に比例しているのですよ。若いメスは小振りで、年を取るに連れて大きくなるのです。だからお得に思える鶏卵のLサイズは、実は廃鶏間近の熟女の産んだ卵なのです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

オムコイ便り」カテゴリの最新記事