【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【マンゴー窃盗事件】

2010年06月16日 | オムコイ便り
 
 今日も、梅雨空のような曇天である。

 だが、気温は23℃。

 吹き抜ける風は、高原のような爽やかだ(紛うことなき高原なんだけど)。

     *

 昨日のことだが、裏庭でガンという激しい音がした。

 窓から覗くと、隣家の分校教師の妻が竹竿でマムゥワン(マンゴー)を叩き落としており、それが洗い場に干した鍋に当たったらしい。

 マンゴーの木は借りているわが店の敷地内にあり、竹竿もわが家のものだ。

 目が合うと彼女はちょっと照れくさそうに笑ったが、別に悪びれた様子もない。

「まったく、人にモノを教える立場の教師の女房のくせに、なんの挨拶もしないんだから」

 ラーがぷりぷりしているが、隣家は麺屋の常連さんでもあるから、正面切っては文句が言えないらしい。

     *

 まあ、村ではこうした風景はよく見かける。

 わが家のタマリンドの実がなれば村の衆が勝手にちぎっていくし、庭に植えた小ナスやハーブ類も近隣の親戚が毎日のように採っては飯のおかずにしている。

 良く言えば、原始共産制にもとづく私有財産の共有。

 悪くいえば、人のものは自分のものというマイペンライ精神。

 村で暮らし始めた当初、時計やパイプが立て続けに盗まれ、それを金を払って買い戻したという不可思議な事件についてはすでに書いたことがある。

     *

「クンター、放っておくと実ったマンゴーは全部盗られてしまうよ」

 というわけで、今日は朝から竹竿を手に実ったマンゴーを数個叩き落とした。


 
 表皮に鼻を近づけると、なんとも言えないいい薫りだ。

 器に盛って写真を撮り、その場を離れようとすると

「クンター、そんなところに置きっぱなしにすると、誰かが食べてしまうよ」

「・・・」

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