二日目の朝食後、人気の「竹橋渡りアトラクション」に案内することにした。
すっかり田植えの終わった棚田の畦道を歩いて、まずは小川を渡る。
ところが、連夜の雨で狭い畦道がぬかるんで、歩きにくい。
松月さん以外は、全員サンダル履きだ。
*
ところが、一番心配した清乃ちゃんは実にたくましい。
大きめのサンダルをしっかり踏みしめて、ちゃんと着いてきている様子。
訊けば、梅本一家は京都の郊外、しかも「鹿や猪や猿が棲んでいる田舎」で暮らしているそうで、清乃ちゃんなどは田植えも体験したことがあるのだそうだ。
その点、一史くんはバンコクの都会暮らし。
そこで、彼の方が心配になってきたのだが、番頭さんの背後でこんな声が聞こえてきた。
「そうか、オジさんの歩く通りに歩けばいいんだ。右足をこう出して、左足はこう」
なんと、私の足跡を辿って安全を確保しているのだった。
田舎の子と都会の子。
それぞれの対処法に、番頭さん、感心しきり。
そこへ、「アッ!」という叫び声。
振り返ると、梅本さんが足場の悪いところで滑って尻餅をついた。
サンダルの鼻緒が、底から抜けてしまったらしい。
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川沿いの畦道に入ると、さらに足場が悪くなってきた。
そこで、今度は清乃ちゃんの悲鳴。
見ると、足に蛭が吸い付いている。
次は、一史くんが大騒ぎを始めた。
やっぱり、蛭だ。
訊けば、二人とも生まれて初めて蛭を見たという。
バンコク育ちの一史くんなら分かるが、清乃ちゃんは田舎暮らしのはず。
だが、梅本さんの話によれば、住んでいる場所の田んぼにも蛭はいないのだそうだ。
これ、やっぱり農薬のせいだろうか。
*
さて、ようやく古い竹橋が見えてきた。
ところが、近づいてみると竹橋の手前の流れ込みがすっかり冠水して渡ることができない。
そういえば、連夜の雨で川は大増水しているのだ。
迂回路を探してみたが、子供たちにはちょっと無理なようだ。
うーん、参ったなあ。
だが、無理をして事故が起きたら元も子もない。
「えーっ、また蛭のいるところを戻るの?」
そんな声もあがったが、二人はすぐに納得してまた畦道を戻り始めた。
大したもんだ。
二人とも、本当にたくましいわ。
*
宿に戻ると、一史くん、お腹が痛いのを我慢していたという。
なーんだ、我慢なんかしなくてもいいのに。
小川にしゃがみ込んでうんちをすると、とっても気持ちがいいんだよお。
そうしたらまた、生まれて初めての別の体験もできたのにね。
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最高齢は80歳でしたか。この腰の調子だと、更新は到底無理です。何か違う面で記録を作るしかない......すみません、いくつになっても目立ちたがり屋なのです。