【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【貸家戦争勃発】

2009年12月15日 | オムコイ便り
 
 わが村のメインストリートで、今度は“貸家戦争”が始まった。

 先鞭をつけたのは、これまた、わが麺屋である。

 といっても、わが村に初めて出現した2軒続きの貸家の1軒を店舗用に借りただけなのだが、先月には隣りにも山の分校の教師夫婦が無事入居し、これに勢いを得たのか、家主の雑貨屋夫婦は、その向こうにさらに3軒目の貸家建設を始めたのである。

 ところが、それを追いかけるように、今度はわが麺屋から200メートルばかり離れたところに、突如としてアパート形式の貸家建設がスタートした。

 建て主は、娘時代のラーに求婚して袖にされたこともある教師の妻で、彼女は夫の酔っぱらいぶりに辟易して、その土地の一部に小さな家を建てひとりで住み始めたのであるが、直後にバイク盗難事件が頻発したため、おそれをなして夫の家に逃げ帰ったという噂が流れていた。

 アパート形式の貸家は、その無人となった家の脇スペースに建てられ始め、どうやら平屋に5部屋が設けられるらしい。

 これまた村の噂では、雑貨屋の成功に刺激された教師の妻が、庭用にと考えていた土地を遊ばせておくのは口惜しいと貸家建設に踏み切ったとのことだ。

 しかし、どう首をひねっても村に借り手がいるとは思えない。

 考えられるのは、わが麺屋の隣人と同様の分校赴任教師か、オボートー(地区行政事務所)の関係者くらいだ。

 もちろん、雑貨屋の方も3軒目の借り手として教師か地方公務員を想定しているようだから、おそらく一軒家よりも安い家賃が設定されるだろうアパートは、借り手の数が限られる村内では大きな脅威になるはずである。

 誰かが唐辛子の栽培で成功を収めれば、誰もが借金をして唐辛子の栽培を始める。

 誰かがバイクの修理屋で稼いでいるという噂が流れれば、その目と鼻の先に突如としてにわかづくりのバイク修理屋が出現する。

 そんな村のビジネス事情からすると、わが家のそばにある日突然、新たなクッティアオ屋が出現してもおかしくはない。

 今日も引き続き教会の空き地で繰り広げられているユーモラスな家族運動会に笑い転げたり、飛び入り参加している場合ではない。

 くわばら、くわばら。

 と気を引き締めて店に戻ったところで、別に客が増えるわけでもないのだけれど。

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