【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【ついに、赤キノコとご対面】

2015年07月29日 | オムコイ便り

 夜中に激しい雨が降る日が続いて、キノコの噂がばったり途絶えていた。

 ところが、数日前からまたあちこちで「大猟だ」という声が聞こえ始めた。

 こうなると、女将のラーがソワソワと落ち着かなくなる。

      *

 連泊ゲストをバス停まで送って戻ってくると、休む間もなくバイクで出撃だ。

 小雨混じりの怪しい雲行きだが、「今日はヘットデーン(赤キノコ)狙いだ」と言われると、番頭さんも後には引けない。

 前回のキノコの記事で紹介したように、ヘットカイ(タマゴダケ)はそこそこ採れたのだが、今年はまだヘットデーンにはお目にかかっていないのだ。

 ヘットカイとはまた違った食感と味わいは、なかなかに捨て難い。

      *

 初め、ガタゴトゴットン(舗装の剥がれた舗装道路)。

 あとは、ぐじゃぐじゃぬるぬる(雨に濡れた赤土の山道)。

 進路も見極め難い悪路を、滑りながら、ぬかりながら進んでゆく。

 転倒防止のために、両足は道に降ろしたままだ。

 ビニール袋一杯にキノコを詰めたこの辺の知り合いが、バイクですれ違う。

 や、やばい!

 出遅れたか。

      *

 バイクを道端に停めて、急斜面の雑木林を登ってゆく。

 おお、いきなりでっかい赤キノコだ。

 でも、ちょっと古い。

 まあ、いいか。

 向こうで、ラーの大声がする。

 敵も好調のようだ。

     *

 雨が強くなってきた。

 斜面が滑る。

 出足はよかったものの、後が続かない。

 1時間後に合流して成果を見せ合うと、1キロ弱。

 時間は遅かったし、この雨だ。

 まあ、良しとしよう。

      *

 軽く蒸かして、唐辛子やミニ玉ねぎなどと一緒に搗き込んで、ナムプリック・ヘット(キノコ唐辛子ディップ)を作った。

 深い紅色のディップを、生のキャベツに包み込んだり、オクラやキュウリの上に載せて食す。





 辛さは、控えめ。

 まろやかな食感と甘い薫りが、口中に広がる。

「おいしい!」と日本語で女将。

「オイテテ!」とカレン語で番頭さん。

 このときばかりは普段の仲違いをすっかり忘れ、優しい笑顔を見交わすクンター(爺様)とクンヤーイ(婆様)であった。

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