【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【青年(?)の証明】

2015年06月21日 | オムコイ便り

 普段は山の小屋でひとり暮らしをしているラーの叔父が、ゲストの有村さんを訪ねてきた。

 訊けば、昨夜の散歩でたまたま村に帰ってきていた爺さんと顔を合わせ、あれこれと話し込んだのだという。

 そろそろ小屋に戻るから、別れの挨拶に来たのだそうな。

 有村さんが年齢を訊いたところ、90歳だという。

 しかし、ラーは「99歳じゃないの?」と念を押す。

「何を言うか、俺は90歳だよ」

 爺さん、ちょっとムッとした。

 だが、番頭さんが最初に村にやってきたとき、彼は確か「120歳だ」と言って胸をそらしていたのだったがなあ。

 ともかく、彼に較べるとわれわれはまだ青年、どころか洟垂れ小僧なのだ。

      *
 
 爺さんと別れて2度目のミニ・トレックに出ると、川で水浴びをする水牛が出迎えてくれた。




 橋を渡り、川沿いに広がる棚田に入り込む。

 あちこちで田起こしをしているものの、やはり昨日の雨では充分ではなかったらしい。





「水が足りないねえ」

 畦作りをしている女衆に声をかけ、二人でカメラを向けると、照れながらも作業を続けてくれた。





      *

 田植えに備えて、川沿いには牛除けの柵が設けられている。

 残念ながら、休憩所にしている大岩のテーブルには下りることができなかった。

 世界遺産候補(嘘です)の、古い竹橋が見えてきた。

 遠望すると、傾きがさほどではない。

 近づくと落ちかけた手すりが修理され、割れかけていた孟宗竹が新しいものに変わっている。







 そろそろと渡り終えて、下りる場所が違っていることに気がついた。

 以前、こちらで重みを支えていた木の股に割れが入り、位置をずらして付け替えたのである。





 これでよく、あの重みを支えていたよなあ。

 ワイヤー代わりの古タイヤも、以前よりもしっかりと張り渡されている。

 そうだよなあ。

 あのままでは、収穫のあとに米袋を担いで渡るのは無理だったろう。

 ともかく、有村さんが「オムコイ名物」と呼んでくれた竹橋が少しはマシな状態になったことに、ホッと胸を撫で下ろしたのだった。

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