かくなる妙齢の女性たちを、「少女」と呼ぶのは大変失礼ながら。
そう呼びたくなるほどに元気で快活なふたり組なのであった。
夏織さんと美帆さん、バンコクで働く仕事仲間だという。
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夜行バスでチェンマイに早朝に着き、そのままオムコイ行きの超豪華VIPオンボロバスに飛び乗るという強行スケジュール。
しかも、仕事の都合でどうしても一泊しかできず、翌日午後2時のバスで再びチェンマイに戻り、夜のフライトでバンコクへ戻るというのだから、話を訊いているこちらの方がぐったりしそうだ。
だが、若いふたりは疲れのかけらも見せず昼食のカオマンガイを平らげ、バイクの3人乗りもマイペンライ。
その気迫に圧倒されたか、オムコイの空も久々のスッキリとした夏空と豪快な夏雲でふたりを歓迎してくれたのだった。
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オムコイ訪問の言い出しっぺは、夏織さんだ。
日本に居るときから山岳民族の民族衣装やアクセサリーが大好きで、中でもカレン族に一番逢いたかったのだという。
その線であれこれ調べていたところ、わがブログにヒットして、すぐさま「行こう!」と決めたのだとか。
そこで同僚の美帆さんに声をかけたところ、こちらもすぐさま「行こう、行こう」
その決断ぶりも、やっぱり元気少女だよなあ。
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川向こうの棚田や展望台、古い竹橋などに案内するときも笑い声が絶えない。
カメラを向けると、すぐさま愉快なポーズをとってくれる。
トンボがいれば大騒ぎ、バッタを見れば手を伸ばす。
ふたりが呼び寄せたかのような青い空と白い雲と降りしきるセミの声。
「なんだか、子供のころの夏休みみたいだねえ」
「そうそう、おじいちゃんやおばあちゃんの家に遊びに行ったときのような懐かしい感じがするよねえ」
ふたりのやりとりを耳にしながら、村の衆に「クンター(爺様)」と呼ばれている番頭さん、孫娘たちを古い農家に迎えた祖父のような甘くロマンチック(?)な感傷にふけるのだった。
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爺ちゃんにとって、孫たちの旺盛な食欲を見るほど嬉しいことはない。
その点、この孫娘たちは村の焼酎の飲みっぷりも含めて合格点をはるかに超える元気ぶりだ。
「おいしい、おいしい、魚を食べるのは久しぶりだなあ」
「おいしい、おいしい、ご飯が日本米みたいでおいしいなあ」
晩飯のおかずであるプラーニンの清蒸が足りなくなり、爺ちゃんは思わず歓喜の涙と鼻水を垂らしながら、わが食べかけの半身を差し出したほどだ。
むろん、これも骨まで(?)平らげてくれたぞお。
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一夜明けても、その勢いは止まらない。
「本当に、ぐっすり眠れましたあ。蚊帳って、いいなあ」
とりあえずの蒸かし玉蜀黍を供すれば、「餅米みたいにムチムチですねえ」と言いながら、ぺろり。
ナムプリック・カピッ(ガニ漬けベースの唐辛子味噌)に竹の子やキュウリを浸けて食すカレン料理で、皿に盛ったご飯をぺろり。むろん、お代わり付きだ。
そして、デザートのパッションフルーツもぺろり。
爺ちゃん、またまた感涙にむせぶ。
ひと休みして、今度は村はずれの滝と棚田遠望へ。
ここでもふたりは、滝に飛び込むポーズをとったり、バッタを追いかけたり、残りわずかになった時間を思い切り楽しんでいる様子だ。
4~5月の暑くて水量の少ないときだったら、このふたり、きっと滝壺に飛び込んだだろうなあ。
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約束していた出発時間の午後1時になっても、ふたりの姿は見えない。
町での昼食予定を、村での昼食に切り換えたらしい。
狙いは村の入り口でバーベキュー屋が売っているサイコッ(肉汁まぶし米の腸詰め焼き)に違いない。
その話をしたとき、夏織さん、すかさず「それ、食べたい!」と目を輝かせていたもんなあ。
1時半過ぎに戻ってきたふたり、案の定「おいしかったですう」と大満足の様子。
店の子供たちと触れ合い、そばの雑貨屋ではばあちゃんに柿ももらったらしい。
さて、時間だ。
再びバイクの3人乗りで、町のバス乗り場まで。
かと思いきや、送り先はセブンイレブンだった。
バスの中で食べるお菓子などを買い込むのだという。
うーむ。
「あたしたち、また絶対来ます! 世界単位で考えたら、バンコク~オムコイはめっちゃ近いですからね!」
おほほお。
“めっちゃ”たくましい孫娘たちをもって、田舎の爺ちゃんはシアワセだあ。
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ほんとにどこに行っても元気だなぁ!
素敵なブログありがとうございました☆
楽しそうなの伝わってきますね~。
私も10月にタイに遊びに行きます!
今から超楽しみです(^^)
あ、これで元気な孫娘が3人に増えましたねえ(笑)。楽しみにお待ちしております!