【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【俺たちに明日はない?】

2015年07月11日 | オムコイ便り

 3日目の朝は、水曜市に案内した。

 二人が目を留めたのは、刃物屋である。

 上田さんは陶芸や工芸も趣味にしており、竹割り用の山刀(120B)を購入。

 玉本さんは、ウチの息子たちが野ネズミ獲りに使っている仕掛け罠に興味津々だ。

 海辺にある魚釣り小屋にネズミがいるそうで、その退治に使いたいのだという。

 店の親爺に使い方を説明してもらうと、その親爺、間違って自分の指をバシンと挟んでしまった。

「大丈夫か?」と訊くと、「マイペンライ」と答えたが、無理に作った笑顔はかなり痛そうだった。

 これを見た上田さん、「俺も買おう」ということに。

 親爺のパフォーマンス付きで、各20Bなり。

 その後二人は、町のカフェでオムコイ・コーヒーを楽しんだ。

      *

 自称「酔っ払い爺」の二人を紹介する上で、夜の宴会の様子は欠かせないだろう。

 晩飯ができると、すぐさまビアチャン(象印ビール)の栓が抜かれる。

 とにかく、ピッチが早い。

 同時に、村の焼酎も。

 最初は薬木入りを試してもらったのだが、上田さん、ストレートではちょっときつすぎるという。

 そこで、マナオ(レモン)を絞っての水割りに切り換わった。

 こちらも、相当の急ピッチだ。

      *

 ひと段落すると、上田さん、テラスのカントーク(卓袱台)からテーブルに移って一服。

 見ると、持参の日本煙草ではなく、細い竹の棒の先から煙が昇っている。



 そういえば彼、町からの帰りに雑貨屋で巻き煙草用の刻みを購入していたのだった。

 そのあとで、村の女衆が吸っている竹パイプを見て「あれは売っていないか」という質問を受けたのだが、残念ながら基本的に手作りで、村の雑貨屋では売っていない。

 そこで、晩飯の前にパイプ作りに挑戦したのだという。

 残念ながら、火皿用の材は見つからなかったそうだが、棒の先に刻みを詰めただけでも、2~3服なら充分においしく吸えるそうだ。

 野ネズミ罠の購入といい、手作りパイプといい、わがバンブーハウス開宿以来初の快挙(?)に、番頭さん、嬉しくって仕方がない。

     *

 それにしても、陽気な酒だ。

 腰痛のために自重している番頭さん、ほとんど飲んでいないのだが、一緒に気分が盛り上がってくる。

 かつての仕事、旅、趣味、そして酒と煙草と男と女・・・。

 だが、その合間に二人は「心臓が痛い」「血圧が180を超えている」「もしも、ここで死んだら山で焼いてもらえるんですかね」などと、かなり危ないことを口走る。

 それなのに、こんなに飲んでもいいのだろうか。



「いいんです、いいんです。人間、いつ死ぬか分からないんだから、今をしっかり楽しまなくっちゃ」

 なんか、妙に爽やかな“俺たちには明日はない”風宴会となったのだった。

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