あらら、気がつけばもう大晦日かあ。
とうとう年末のゲストを紹介し終わることはできなかったけれど、まあ年をまたいでボツボツと参りましょう。
本年における当ブログのご愛読とオムコイ・バンブーハウスへのご愛顧に深謝申し上げます。
また来年も、タイ式にのんびり、ゆったりとお付き合いのほど。
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さて、25日から5泊してくれた美希さんの紹介がすっかり遅れてしまった。
彼女はチェンマイを拠点に、およそ2ヶ月ほどタイのあちこちを旅してきたそうである。
アユタヤ方面のある町では、現地の人と知り合ってホームステイも体験したという。
わが宿のことを知ったのは、なぜかゴールデン・トライアングルで。
以前に泊まったゲストと偶然ソンテオに乗り合わせて話を聞き、興味を持ったのだという。
村の中にもすぐに溶け込み、近隣の朝の焚火の輪に入り込んでカレン菓子を食べたり、晩飯に招待されたり、わが家に集まってくる若い衆と焼酎を飲んだり、すっかり人気者に。
山の中での焚火拾いにも挑戦してくれたことは、すでに紹介した。
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この美希さんとすっかり仲良しになったのが、26日にやってきた美香さんである。
彼女は手話を使う人で、最初の問い合わせメールでこんな自己紹介をしてくれた。
「自分は日本では“聾者”と呼ばれて、少数民族のような存在です。そこで、旅するときにも少数民族に関心を持ち、色々と調べているうちにそちらのブログに辿り着きました」
日本では「シュアールグループ」という特定非営利活動法人に属し、手話エンターテインメント事業部のディレクターとして世界中の手話を使う人たちの暮らしや生き方などを映画にしているのだという。
むろん、私を含めてゲストの人たちは手話を使えない。
簡単な会話は口を大きく動かすことで読唇してもらい、込み入った話は筆談でということになる。
到着時にたまたま一人でいた美香さんに紹介すると、二人はさっそく筆談での会話を始め、熱心に話し込んでいる様子だ。
まわりをウロウロしている番頭さんには、「へえ、そうなんだ」などと頷く美希さんの小声しか耳に入らない静かな会話である。
時おりノートを覗かせてもらい、旅の話、仕事の話、これまでに作った映画の話(ドキュメンタリーだけでなく手話をテーマにしたホラー映画もあるそうだ)など、中身の濃い会話が進んでいることを知ることができた。
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翌朝松井さん夫妻が発ったあと、二人が焚火のそばで筆談していると隣家のプーノイがやってきた。
彼はモーピー(霊医・霊占師)と呼ばれ、地元では簡単な病気なら霊力で治すことができると信じられており、拙著にも登場する。
二人の筆談ノートをじっと眺めていた彼が、何を思ったのか「ちょっと待ってくれ」と言って家に戻り、しばらくして祈祷の小道具を手に再びやってきた。
そして、「二人の様子には何かを強く感じるものがある。そんな二人を歓迎し、健康と今後の旅の安全を祈願しよう」と言い出した。
母屋のテラスに道具立てをセットし、小皿に「各自100バーツの祈祷料を置いて」と言う。
おいおい、有料かい?
そんならそうと早く言ってくれよなあ。
そういえば、この小道具を使うときは確か有料だったっけ。
仕方ないなあ。
「プーノイ、この人たちはウチのゲストなんだから一人50バーツにしてよ」
「ああ、いいよ」
あっさりと値引きに応じた(こんな祈祷、ありかあ?)。
そこで、二人に確認すると有料でもOKだという。
そばで監視していると、いつになく気合いが入っている。
祈祷の中には、ふたりの家族に対する健康祈願、円満祈願なども入っているようだ。
糸巻きも、聖糸(白い木綿糸だが)を通じて相手の魂を高めるための言霊を吹き込む本格的なものとなった。
祈祷が終わると、「なんだかパワーが沸いてきたような感じ」と美希さん。
美香さんの頬も心無しか赤く火照っているようだ。
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その後も二人は、展望台散策、町歩き、滝遊び、竹筒にココナッツミルクをまぶした餅米を焚火で焼くお菓子づくり、教会の日曜礼拝などを一緒に楽しんだ。
27日には薄井さん夫妻、28日には小山さんが到着。
美香さんは予約順の関係でバンブーハウスには泊まれなくなったのだが、どうしても延泊したいという希望で、急遽母屋の汚い息子の部屋に泊まってもらうことになった。
その夜は、バンブーハウス開闢以来初の定員オーバー、実に5人のゲストが集う賑やかな晩飯や焚火になったことは言うまでもない。
番頭さん、包丁で指を切ったりドタバタしてじっくりと仲間に入れないのは実に残念だった。
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翌朝、3泊した美香さんは朝8時のバスでチェンマイへ。
美希さんは朝8時半のソンテオを使い、途中乗り換えでメーサリアンに向かうことになった。
プーノイのディスカウント祈祷パワーが、今後の二人の旅を力強く支えてくれますように。
オーマーチョーパー!(カレン語でグッドラック)
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