【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【メイドイン・タイランド!】

2015年01月31日 | オムコイ便り

 町の水曜朝市で、作業用ズボンを探すことにした。

 本当は速乾性のあるスポーツウエアがいいのだが、これらの記事はすこぶる火に弱い。

 焚火をしたり、手巻煙草を吸うと、たちまち穴だらけだ。

 テント張りの衣料品屋を数軒ぶらぶらしていると、いい感じの綿パンを見つけた。

 手にとると、すかさず店の親爺が「60バーツ!」と声をかけてくる。

 ろ、ろくじゅうバーツう!?

 いくら何でも、そりゃ安過ぎだあ。

 でも、常に自転車操業、緊縮財政に追われる身としてはありがたい。

     *

 よくよく見れば、さすがにひどい作りだ。

 まるで、洋裁学校の生徒が初めてミシン縫いしたようないい加減さである(実際に見たことはないけど)。

 むろん、商標などは何もない。

 おそらく、そこいらのおばちゃん連中が小遣い稼ぎに縫ったのだろう。

 前ジッパーはなく、素っ気ないひもで絞める。

 しかし、生地自体やアーミーズボン風サイドポケットはなかなかいい。

 なによりも、60バーツなら穴だらけになっても平気だ。

 そこで、試しに1本買ってみることにした。

     *

「格好悪いなあ。まるで、カレン族みたいじゃないのよお」

 ラーの評判は、散々である。

 だが、隣家のプーノイは「いいなあ、安いなあ、きれいだなあ」と褒めそやす。

 そら見ろ。

 男には男の美学があるのである。

 さっそく着替えて、両サイドのポケットに財布や携帯を入れてみた。

 わが財布は常に羽毛のごとく軽いからして、なんの問題もない。

 重たい携帯はさすがに歩くとぶらぶら揺れるが、まあご愛嬌だ。

     *

 そのまま過ごして、夕方雑貨屋に買い物に行った。

 財布を取り出そうとして、右側のジッパーを開く。

 買い物を終え、財布を入れて閉めようとすると。

 あらら。

 ジッパーのやつ、呆気なく壊れちまったわい。

 わずか、8時間の命であった。

     *

 翌朝、今度は左のジッパーがその使命を終えた。

 やれやれ。

 わずか、24時間の命であった。

 さすがに、60バーツのことだけはあるなあ。

 恐るべし、メイドイン・タイランド!

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