エアポートプラザで開催されている“日本祭”を覗きにいった。
これは、ラチャパット大学人文社会学部日本語学科の学生たちが“日頃の学習成果を披露する”ための催しで、今回は12回目だという。
日本語の勉強を少しずつ始めたラーにもぜひ見せたかったのであるが、あいにく彼女は鼻アレルギーで、化粧品や食物の匂いが充満する冷房空間に入ると途端に気分が悪くなり、くしゃみがとまらなくなる。
残念ながら、ひとりで行かざるを得なかった次第だ。
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会場のある2階にあがると、ゆかたの着付けコーナーがあり、数人のタイ人女性たちがプロらしきカメラマンに写真を撮ってもらっている。
法被を着た女子学生が、「写真どうですか?30バーツです」
「いや、写真はいいけど、何か催し物があると聞いたんですが・・・」
「はい、なんですか?」
そこから数人の女学生にたらい回しにされたが、なかなか話が通じない。
そこへ男子学生が現れ、「テンランカイはもう見ましたか?」
「ああ、展覧会をやっているの?」
「はい、場所は向うの方です」
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エスカレーターの方に向かうと、七夕の笹飾りが見えてきた。
その前で、和服を着た学生たちが記念写真を撮っている。
短冊を見てみると、「日本のゲームがやれるようになりたい」「日本の言吾(ママ)がじょうずになりたい」「日本のディズニーランドに行きたい」「ガイドになりたい」「おうさまが長生きできますように」
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左手の催事スペースに、雛飾りを可愛くデザイン化した舞台があり、そのまわりに日本留学情報コーナー、日本物産コーナー、おみやげ販売コーナー、茶道コーナー、折り紙コーナー、囲碁コーナー、日本食販売コーナーが設けられている。
あいにく昼休みに入り、午前の部の日本語によるショーやクイズ、空手実演などは見ることができなかった。
囲碁コーナーではふたりの男子学生が碁盤を囲んでおり、書道コーナーでは女学生がカタカナで「ドリーム」と書いている。
そこへ年輩の日本人男性が現れ、「ラチャパット大学日本祭」と書いた。
達筆である。
何か書いてみようと思ったが、その達筆に怖れをなして茶道コーナーに逃げる。
正座した女学生に手招きされ、床几に腰をおろす。
神妙な手つきでいれてくれたお茶は、なかなかの味わいだった。
「日本語の先生は、日本人ですか?」
「はい、日本人の先生と、あとは外国人の先生です」
「外国人?」
「はい。・・・あ、いいえ、タイ人の先生でした」
数人の学生と言葉を交わしてみたが、失礼ながら日本語のレベルはまだまだという印象だ。
中にはまったく日本語を解さない者もいたが、彼らは手伝いの学生だったのだろうか。
最後に、日本食販売コーナーで鶏カツカレーライス(30バーツ)とミニコロッケ(3個入り20バーツ)をあがなった。
残念ながら、ま、まずい。
“日本語学科の目標”には、「学生に日本の文化・習慣・歴史に関する知識を身につけさせる」という項目もあるのだから、日本人教師にはもっと気合いを入れてカレーの作り方を教えて欲しいものである。
もっとも、これは管轄外の話であろうけれども・・・。
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午後からは、日本語朗読コンテストや日本語劇などが予定されていたが、時間の関係で中座せざるを得なかった。
ちょっと辛口の感想になってしまったけれど、一生懸命に応対してくれた学生の皆さん、ありがとう。
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タイの人に聞いたけどみんな英語が通じなくて大変でした。