今日の一貫

いよいよ米の輸出が現実味をおびてきた 100万トン契約

大量のコメ輸出はWTOに抵触する可能性があるので不可能と考えるのが農水省。
しかしその農水省、いよいよ本気になってコメ輸出に動き出すかもしれない。

11月26日JAビルで開かれたという大会での筒井副大臣の講演であきらかになった。
JAビルで、コメ輸出というのだから、
「国産米は外国産に負けるので高額関税と市場縮小(生産調整)で対応する」というのが金科玉条のJAは形無しだったかもしれない。
さすがに筒井副大臣、この路線は、米の安楽死だと気づいたのかもしれない。
講演の内容は、中国向け年100万トン契約目指すといったもの。

これ、日本の水田農業の発展にも良いし、食料安全保障にもいい。
食糧安保に関しては、既に見解を述べたところ。中国へのコメ輸出はそれに大きく貢献する。
中国は、別に米を主食としてるわけではないので、米への関心はそう高くはない。
しかし需要があることは確か。

中国以外にも、世界のコメ市場およそ3千万トン。
そこに、民主的国家である日本が影響力を持つのが、最も良いと、主張してきたが、
アジアの不安要因となる可能性は、不安定なコメ国際市場と、中国の胃袋。
覇権争いも、そこから生じかねないとも限らない。
日本のコメ輸出はそうした不安定要素を取り除く可能性あり。
日本の潜在輸出力は高い。
むしろ今までそれを制限してきた。

しかし、そろそろ、転機が来ている。
アジアの日本として、ジャポニカを輸出する、その端緒が見えてきた感じがする。
決して一筋縄ではいかないと思うが、筒井副大臣には、リアリティのある交渉をしてきてほしいもの。

この記事、農協系の機関誌には出ていないので、紹介しておこう。

記事は『商経アドバイス」米関連の専門誌。12月2日号

以下引用
中国から農水省に輸出要請も
 この中で(11月26日の筒井講演)
住友商事㈱による日本産米の対申輸出開始の動きにも触れながら「中国から日本の農水省に対し、対中輸出検討の要請が来ている。12月8~10日に私が訪中し、日本のコメを中心とした食料品の輸出について話し合う。住商とは違い、北京眩ある農業集団と交渉する予定で、当面コメは数十万トン、将来的に年間100万㌦の継続的な供給契約をむすべればいいと考慮ている」と指摘し、住商とは別に農水省でも輸出計画の具体化を進めていることを明らかにした。
 現行の対中輸出で要件となっている燻蒸条件は適用されない見通しという。
 対中輸出が有望と見込める背景にも言及し、「中国は外国に食料の安定供給基地を求めており、この中のひとつに日本が対象として含まれている。とくに富裕層は日本の食料に渇望感が強い。安全性とおいしさを備えた日本の食料は国際競争力があり、これを生かした食料の大量輸出を進めることが必要だ」との考えを述べた。
 なお簡井副大臣は、講演後に農協関係者・農業法人代表を含めたパネルディスカッションにも参加した。その中で、参加パネラーから米価下落の放置、価格政策と過剰米対策の欠如について批判を受けたが、副大臣は「戸別所得補償制度の下でも価格政策はゼロではない。備蓄制度により棚上げをすれば、価格の維持にはプラスに働く。価格政策を否定はしていない」との見解を示した。

商経アドバイス2010年12月2日
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