今日の一貫

減反、見直し是非、意見が分かれる、農水省アンケート

農水省の減反に関する調査の結果が出た。
内容は、「維持強化派」と「見直し廃止派」とが半々になったというもの。
これをもって、国論二分と結論づけたいのが農水省なのだろう。
ただ、数字としては、「見直し廃止派」の方が上回っている。農業者アンケートも消費者アンケートともともにそうだ。

ところで、この結果、普通言われていることがそのまま出たということで、別に新しくもない。
つまり、
①生産調整のフリーライダーは小規模農家、で彼らが非協力であるため生産調整はうまくいかない。
②規模の大きい農家は、生産調整政策をうまく使っている。「今のままでいてくれよ」、が本音。
③従って、北海道、東北、北陸の規模の大きい農家のあるところは、「今のままでいてくれよ」が多い。

ところが、政策は何を間違えてるのか、生産調整非協力は大規模層が問題、と言い続けてきた。そのためか巷間大規模層が問題と思われており、現、「大規模層は問題がない」、といったとたん私のブログに多数の質問が来たことでも明白、これには私も驚いてしまったが、、。

問題は、、零細農家のコメを農協が集め続け、コメをあぶれさせているのが実態。
だから全体需給バランスを考えれば、ここを締め上げるのがポイント。
農林族の先生、それを、零細農家の1票がほしいものだから、逆の処方箋を施している。
全体需給調整を強化して米価を維持したいなら、
①農協が規模の小さい零細農家のコメを集めないか、
そうなると、売れないか、あるいは縁故米になっていくだけだろうから、、

②農協が自主的にこれらの農家を生産調整に参加させ減反強化をすればそれで良いということになる。
それ、農協はやりたくないから、、政府がやれと言って族議員をたきつけているのが真相。零細農家と農協の問題を、あたかも国家全体の問題にすり替えているのでは、、

もう一つは地域問題だ。
東北、北海道、北陸の農協は生産調整をやってると思っているのだろう。
だから他の地域の農協中央会にきちんとやれと言えば良いだけ。

③これもせっかく全国農協中央会があるのだから農協の内部問題で解決する課題なのだ。

ところで、問題はこれですむかということ。

④つまり大規模層の問題がある。
日本の農政では、「大規模」などとと言われているが、私は、これらは実は「零細農」だと言っている

私が専業農家で「大規模農家(実は零細)土地利用型農業」をやっているなら、生産調整に参加して、産地作り交付金をもらった方がはるかに得。
「今のままが良い」の選択を躊躇なくするだろう。
規模の大きな米作農家は、「今のままで良いのだ。」政策の変化リスクを受けるよりも、今のままの農政で判断させてくれと言いたい、、ということだ。
大規模層は、「生産調整は今のままで良い」となるのは必至。
これまでもそうだしこれからもそう。

しかしそれで良いのかと言うことだ。何を言いたいかと言えば、日本で大規模農家などと言っても、実は普通の産業界からしてみれば、人一人も雇用できるかできないかの零細農家だし、そこには経営がまだない。

生産基盤を拡大し、専業農家の生産シェアーを増大させ、日本の生産額を向上させ、対外競争力を得る政策をとるとすれば、、この人たちが経営センスを持ってさらに飛躍することが大事。政策も今のままのものではなく、財政負担型の直接支払い型の政策を入れなければ、そうはならないと言うことをどう理解するか。
今の生産調整政策は、農協を助けるための政策、、これを成長する農家を維持支援する政策にどう転換するかを考えなければならない。

これは、昨日の知事さんアンケートと比較してみると、歴然となる。
明日を見つめる発想と、今を考える発想との違いが明確に出た感じがする。
大規模農家層が、さらに成長氏、日本農業を成長軌道に乗せるためには、、少なくても減反一律強制はやめなければならない。


以下日経新聞

減反見直し是非、意見が分かれる、農水省アンケート。

2009/07/08 日本経済新聞 朝刊 5ページ 521文字

 農林水産省は7日、コメの生産調整(減反)について初めて実施したアンケート調査の結果を公表した。
農業者と消費者に分けて見直しの是非を質問。
農業者では減反の緩和・廃止を求める声が約52%、維持・強化が約46%と見方は二分された。
消費者でも「やめるべきだ」が約40%に対し、「今後も必要」が約33%と意見に明確な方向性は出なかった。

 農業者の回答をみると、「農家の自主性や経営の自由度が高まるよう見直すべきだ」が38・7%で最多。「やめるべきだ」の13・1%を加えると半数余りが減反を緩和・廃止する方向を支持した。一方、「現在のまま続ける」が25・4%、「生産調整を強化し確実に行われるように見直すべきだ」が20・5%で、維持・強化も半数に迫る回答が集まった。

 消費者では、麦や大豆などの自給率向上対策を別途講じたうえで「やめるべきだ」と、緩和方向の意見が35・4%と最も多かった。別対策なしに「やめるべきだ」は4・4%で、緩和・廃止方向で約4割。「今後も必要」は32・8%だった。

 アンケートは5月25日から6月19日にかけて実施し、農業者の対象者数は1万810人。8075人から回答を得た。消費者は2万9253人が対象で、3559人が答えた。
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