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30年(2018年)生産調整廃止は案の定廃止とはいえない

稲作地帯からの講演ネタは、昨年から30年問題が多い。生産調整が廃止され、戸別所得保障が廃止されるいわゆる30年問題だ、しかしともに廃止にはならない。生産調整は、国の生産目標数量割り当てから地方自治体、地域(農業再生)協議会主導の割り当てに、さらに戸別所得保障、総額749億円弱は、えさ米交付金の水田活用交付金に代わるだけです。

生産調整廃止は今から3年半前の2013年12月 競争力会議農業分科会できめた。座長は新浪さんだった。農林水産業・地域の活力創造会議でオーソライズし、マスコミも大いに話題にした。

しかし、この生産調整廃止、まがい物にされてしまっているが、こうなることは当時から分かっていたことでもある。国の強制力が伴う生産調整廃止は評価されて良いが、結局は政府が作付目標割り当てを行わないと言うだけで、実質的には、地方自治体が農家に目標提示することによって、生産調整は維持される。しかも、近年のえさ米振興により、補助金によって農家誘導し、誘導した分は転作にカウントすると言うこと。農家にとっては、政府が言うか地方政府が言うかの違いで同じ事。農家は有利なえさ米生産に傾斜し、結果として生産調整は達成、過剰作付も回避されることになる。

ところで、思い出したが、当時マスコミでも「生産調整が廃止されて日本の農業はどうなるか」がさかんに議論された。その一つにNHK「ニュース深読み」があった。

私は、生産調整が廃止する、しかしこの状態では廃止とは言えないかもしれない、と言った趣旨のことを発言した。さらに、生産調整を本気で外せるかどうか分からないとも発言した。アナウンサーは、「生産調整廃止」が頭にすり込まれていたのだろう。私の複雑な話が飲み込めなかったらしい。とたんに「わけがわからない。一体どっちなんですか」と切れてしまった。無理もないなーと思いつつ説明した記憶がある。

こうしたどっちつかず、玉虫色の落としどころを探るのが、農政、コメ政策の常で、バックグランドのない司会アナウンサーには気の毒な事だったが、目の前にいた林家三平はどうやら分かったみたいだ。

この土曜日あさの番組、司会は当時は小野文恵というアナウンサーだったと記憶する。現在も続いているようで司会は彼女から代わっているようだ。そのころ、小野文恵というアナは異常に忙しかった様で、準備をする暇もなく走り回っていた。前の日にわざわざ呼び出され、打ち合わせをしたが、彼女はそれにもほとんど出席できず、ほんのちょっと顔を出しただけだった。本番当日も前の番組を終えて走ってスタジオに入っていたようだった。だから事前の会話は全くなかった。NHKには多くの優秀なアナウンサーがいるのだから、幾つかの番組を掛け持ちで、下準備もなく専門家の話も咀嚼しないまま本番を迎えるのはいかにも気の毒だった。今はどうか知らないが、専門家を使うならそれなりの学習が必要、ということに気づかない当時のNHKに課題があったのかもしれない。ニュース深読みではなく、ニュース表面読み、だったのだろう。こうしたディスカッションの司会はアナウンサーは片手間やアドリブでできると踏んでいたのかもしれないが、NHKでは初めての出来事だった。

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