Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ ハンドル・ウィズ・ケア / トラヴェリング・ウィルベリーズ

2022年11月29日 19時00分00秒 | George Harrison


B面に入れる曲をレコーディングするだけの筈が、世間をアッと言わせることになってしまった謎の覆面バンド!
事の始まりは、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」で第13位に選ばれた男のこの一言でした・・・

「何かやるなら、僕も仲間に入れておくれ!」

1988年の春、シングルB面用の曲をレコーディングしなければいけなくなったジョージ・ハリスン、その打ち合わせの為に、ジェフ・リンを訪ねたところ、そこに、たまたまデビュー当時からの友人のロイ・オービソンが訪問中・・・

ジョージは、単なる打ち合わせで訪問しただけなのに、「何かやるなら、僕も一緒にやりたい」ロイ・オービソンが言い出したことが、このプロジェクトの出発点となりました。

謎(?)の覆面バンド始動!
ところが、録音場所を探すも、主だったスタジオは、何処も満室状態・・・
困った挙げ句、やっとの思いで見つけ出したのが、ボブ・ディランの家のガレージの中にある小さなスタジオ・・・

しかし、目ぼしいスタジオが満室だったのは、不幸中の幸いにも強力なメンバーを加える結果となりました!
トム・ペティに預けてあったギターを取りに行ったジョージは、ついでに彼をメンバーに誘い、更にスタジオのオーナーのボブ・ディランを説得・・・
こうして、ジャカジャカとギターを弾き鳴らす5人組が出揃うことに!

メンバーが増え、オービソンやディランのソロの部分を加えて曲が完成されると、その出来栄えがB面にするには、あまりに惜しい素晴しさ・・・
そこで、思いついたのが、“謎の覆面グループの新曲としてリリース”するというスーパー・アイディア!
この様な経緯でリリースされたのが、今日ご紹介する「Handle With Care」という曲でした。

Handle With Care - Traveling Wilburys


勿論、ジョージ色は強いが・・・
元々、ジョージのB面用の曲として用意されていた為、全体的にはジョージ色の強い香りがします。
ジョージのソロで始まり、ビートルズのジョンも憧れた美しい声のロイ・オービソンのソロが加わり、この美しい声がこの曲をより格調高いものにしています!
そして一転、インパクトのあるディランの独特のだみ声etc... それぞれ個性を出しながらも、非常に調和の取れた乗りのいい曲に~スーパー・スター達が肩の力を抜いて、自らも楽しんでやる共同作業で、いい曲にならないわけがありませんよね!

ジョージ自身は販売元のワーナーに対し「ジョージ・ハリスンの曲として扱わず、5人の共同作品として扱う」という事を強く要求~ワーナーも、ジョージの掲げる“レーベルを超えた自由な活動を望むアーティストの集団による共同作品”という意味合いを理解し、この覆面グループを“超大物アーティスト5人が偽名で参加したスーパー・ミステリー・グループ”と紹介し大キャンペーンを張りました。
でも声を聴けば誰であるか直ぐにわかる!(笑)
このように、覆面グループと言いながら見え見えの集団で馬鹿げているようですが、こういった企画は、ファンとして凄く楽しかったですね!

 



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