秋が深まり平地の紅葉が彩を増すころ、父は散歩にでも行くかと言って谷地の田圃をかこむ広葉樹の森が美しい道を父と歩いた。抜けるような青い空、田んぼ沿いの広葉樹の林が子供の眼にも美しかった。白い雲が静かに青空をすべってゆく。時々、立ち止まっては持って来た手帳になにか書いている。こどもの私は親父にきいた、お父ちゃん何かいている?、うん、短歌を書いて居るんだ、ことばを探している、あたらしいことばをつくりだそうとしているんだ。ことばって探すものなの。そうだよ、ことばってつくり出すものなの、そうだよ、いちばん感じの好い、かんじる事にピッタリのことばを探している。ことばは探し出すものなのか、探せなければことばは創り出すものなのか、と、子供ながらに納得した。子供ながらに親父は詩を創るのがすきだったらしい。57577のことばで歌をつくる。いくつもの小学校の校歌を作詞した。わたしが詩を愛するのは親父の血がそうさせるのだろうか。詩は内的なリズムが要る。詩は作るのではなくどこからかやって来るのだそうだ。頭で作った詩には碌な物が無いらしい。情緒が詩を創り、さらに詩が情緒を紡ぎ出す。
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