徒然幸せ日記

作者が日常の生活で見たこと、感じたこと、感動したこと!を書いています。
特に、「幸せ」とは何かについて考えています。

『「見えない」世界で生きること』(松永信也著)を読んで

2018-06-30 11:58:39 | 本と雑誌
先日、図書館を歩いていたら、この本が私の目にとまった。
私の場合、こういうことが多い。
たいてい、何気なく向こう(本)が私に「読んでみて」とささやくのだ。
そうした時は、急ぎでないときはたいてい、読むことにしている。
一つの運命だと思うのだ。

さて、1冊の固い表装の本。

しかし、読んでいくと、著者の体験が生々しく綴られていて、その世界に引き込まれていた。

少し引用させていただくと、
見えないから無理、できるはずがない」と世間の人は思うけど、僕だってできることはたくさんある。見えないことをもっと理解してもらえばわかるはず」

著者は生まれつき見えなかったのではなく、小さいときから網膜の病気だったのが、40歳前に見えなくなってしまった。そして、勤めていた児童養護施設を退職せざるを得なくなる。

その後、「京都ライトハウス」というリハビリ施設で訓練を受けて、白杖(はくじょう)を持って外出し、今では講師とかもされているとのこと。

詳しいことは、この方の次のWEBをごらんください。
https://www.nobuya.org/



でも、そこまでいくのは簡単なことではなかったことがよくわかる本です。
私が感じたことを少し書かせてもらいますので、詳しくはこの本を読んで下さい。

本によると、「目が見えない」ということで身体障害手帳を持たれている方は約30万人。全く見えない方はそのうち約1割で、9割の方は「非常に見えにくい」
そして、身体障害者手帳をもらっていないが、「見えにくい」人は300万人だとか。

見えないと、日常の行動や移動に不自由なだけでなく、情報を得るのが非常に困難。(人間は情報の80%を目から得ているから)

点字は縱3横2の6つの点で50音や数字やアルファベットを表すが、これを指で読み取れるようになるには最低1年間かかる。「でも、やればできる」

今は、点字が読めなくても、活字を拡大したりパソコンのソフトで音声変換できたりして、かなり便利にはなっている。

しかし、白杖で外出するということは本当に命懸け。

どうか、目が不自由な人がいたら、声をかけてほしい。
手の甲を白杖を持ってない手の甲にあて、ひじを曲げずに半歩ほど前を誘導してほしい。
階段とかでは、いったん止まり、「上りの階段です」とか伝えてほしい。
そして、終わったときも伝えてほしい。


目が見えない人が職を手に入れるのは大変なこと。

著書P194にこう書かれている。
「人間って基本的にはものすごい底力を持った生き物。
 どんな状況に置かれても、それを、受け止め受け入れていく力を持っている。
 なんとかして生き抜こうとする力がある。
 生きることへの真摯な姿勢。いい意味でのしたたかさは人を強くしていく」



(メモ)

100円と10円の違いは目の見えない人はどうして区別していると思われますか?

答えは、縁のギザギザです。(50円と5円もそうらしい)
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