ディグニティ・セラピー(尊厳療法)って聞いたことありますか?
私も、今朝初めて知りました。
今朝といっても夜中の0時40分からNHKで放送されていた、番組でのことです。
それは、神戸のとある病院(というかクリニック)で、行われている、末期がんの方とかが、亡くなる前に、「自分が大切に思っている人」に対して、「手紙」を書いて届けようという試み。
その手紙を自分では書けない人に支援して、看護師の方が質問を本人から聞いて、それを手紙にまとめるというもの。
番組に登場していたA男さんは、66歳。パン屋を一緒に始めて苦労をかけた奥さん(64歳)に「ありがとう」と言いたいけれど、言えなかったのを看護師さんに書いてもらう。
遺言のような感謝の言葉。それを書くことで。また、病気に対して強くなれるという。でも、A男さんは、書いた後も家に帰ることはできず、亡くなる1週間前に、2人で額に汗して働いた思い出一杯の畑を見に外出しただけだった。
そして、その手紙は、A男さんが亡くなってから看護師さんから奥さんに。奥さんはとても喜んでいた。「こんなことよう書いてくれたなあ」と言って。
また、登場していたもう一人のB子さん。B子さんもがんで苦しい毎日。でも、自分の娘(といってももう大人)との週に1回の夕食を一番楽しみにしている。
そして、B子さんは、今まで娘に言えなかったことを手紙に託す。それは、自分が離婚したことにより娘を夫に手放し、夫の再婚を期に、また引き取ったが、娘にはとてもつらい思いをさせたという気持ち。
その手紙を読んだ娘さんの答えは、「自分はそんなこと苦労とは思てないよ」との言葉。「でも、こうして手紙に書いてくれてありがとう」と言っていた。
それは、二人にとって、死を目前にした最後の深い気持ちの交換。
こうしたことが、誰の身の上にも起こることだろう。
私にもそしてあなたにも。