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違う場所の地震を比べるのは難しい(続々・地震ネタ)

2018-09-19 14:40:30 | 今日のお勉強

そもそもの地震回数が違う


因みに新潟県中越地震は2014年10月23日発生、M6.8、震源の深さ13km。北海道胆振東部地震は2018年9月6日発生、M6.7、震源の深さ37km。いずれも緯度1度、経度1.8度の範囲内の地震をカウントしています。緯度が違うから若干面積が変わってしまいますが(゚ε゚)キニシナイ!!


長岡を中心とした地震回数。(2018年8月31日まで)


苫小牧を中心とした地震回数(2018年9月17日まで)。


例えば、2000年の各月の地震回数は
長岡 :31、31、63、92、56、49、39、42、37、42、25、28
苫小牧:15、17、16、16、18、28、20、19、08、34、19、18

と長岡のほうが多い。これは2000年に限らず、大きな地震がない限り、長岡付近の方がずっと地震発生回数は多い。

もし、CCSが地震を誘発しているのなら、圧入開始から大きな地震が起こるまで1年とちょっと、といったあたりでしょうか。その間の小さな地震はどちらも特に増えてはいません。因みに長岡付近のグラフで3回大きなピークがあるのは中越地震、中越沖地震長野県北部地震です。長野県北部地震は東北地方太平洋沖地震の誘発地震と考えられるので、中越地震後、どのようにして元の地震発生回数に戻っていくかを考えることは困難です。ですので、苫小牧付近の地震データはCCS終了後、10年間くらいは要監視と言えるでしょう。

震源の深さが違う


長岡付近は深さ10kmより浅い地震が多い。真っ赤ですし、マグニチュードも大きいですね。苫小牧付近の震源は、支笏湖南岸を除くとそれよりは深いものが多い。安平~厚真あたりを見ると震源は西側で浅く東側で深い。(苫小牧CCSを中心とした地図が何故か描けなかったので、厚真が中心の地図です。)(9/20差し替えました)東側の震源は概ね30kmより深く、石狩低地東縁断層帯が20~25kmくらいの深さだと考えられるので、断層と今回の地震の震源との関係は色々な説が出されていますが、ここでは紹介しません。が、苫小牧CCSから胆振東部地震の震源は中越地震よりも大分遠いですし、苫小牧沖からどのようなメカニズムで地震を起こしたと主張するのかは不明です。圧入地点から震源までの、地中の圧力とか水分量とかの測定値もありませんし。






はたして、ここからどうやって話を進めたら良いのでしょうか。デンバー地震では排水の注入をやめたらすぐに地震が減っていましたけど、もし、苫小牧付近でも2019年以降更に地震が起こるようなら、日本でCCSをやると圧入終了後も暫く地震が起こりやすい、ということになります(苫小牧でのCCSは2018年までの予定とか)。それから、デンバー地震では半径8km程度の小さな範囲まで群発地震の震源を絞り込めていましたから、日本の地中の状況では数十kmまで影響が及ぶ、というか必ずしも圧入地点のすぐ近くに影響を及ぼすのではなく、数十kmの範囲で潜在的に地震を起こす可能性のある地点に影響を及ぼす、ということを示す必要もあります。(人工的な誘発地震の先行研究にあったらゴメンナサイ。地震や地質は専門じゃありませんし、そこまで詳しく調べてもいません。)

少しだけ検索した結果では、(日本語でも英語でも)今回紹介したような学部生が最初に描かされるような素朴なプロットは見つかりませんでした。まあ、その程度の図も自分で描く能力がないから陰謀論に飛びつくんだろうな。真面目にやっている人もいるようですが、まず誘発地震の時間、空間の範囲を明らかにしてほしいなと思ったり。

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