迷悟在己

痴呆寸前が巷間を漂いながら日々の雑感を書きます

続続続・秋田への旅

2018-10-22 17:50:05 | 旅行


秘湯彩雲荘で自然の中で露天風呂を愉しむというプランは挫折した。
これは周辺道路の渋滞によるものではなく、私の無計画に拠る。宿に着いたのは、道路の封鎖30分前で、すべり込みセーフだった。本館(旧館)の6畳トイレなし、TVなし、電話なしだが、小奇麗に掃除も行き届いて、すでに夜具の用意もされていた。一人のきままな旅だし、これで十分。


さすがに秘湯らしく、廊下を歩くとみしみし音を立てる。場所によってはデブの私の足が床を破りそうなところもあって、丈夫なところを覚えておいて、そういうところを選んで歩かないと本当に床を踏み破りそうだった。早速東側の露天に入ったが、ぬるくてすぐに出てしまった。
ヘルシーな夕食をすませて、すぐに眠りについた。夜中の2時ころ起きて、風呂に向かおうとドアを閉めたときに、ドア鍵を手に持っていなかったのに気がついたが、時すでに遅し、非情にもカチャッとロックされてしまった。まあなんとかなるさと気軽な気持ちで西側の内風呂へ。大きな木造の風呂で、乳白色の湯が、噴出し口からごぼごぼと湯船に吹き出している。湯船の底に足を入れると、硫黄のにおいのする湯の花が溜まっている。こりゃ天国だわい。扉を開けて外の露天風呂に行こうとして、木組みの坂をふりちんで歩いていったが、何しろ暗いし、足場がすでに凍っていてつるつる滑る。こんなところで夜中にすべって、尻でもすりむいたらとんだ笑いものだ。すごすごと内湯に戻った。後で聞いたら夜は氷点下だったという。どおりで寒いはずだった。湯から上がって待合部屋に行っても誰も起きて来ない。ストーブも消えてるし、だんだん冷えてくる。こりゃいかんと、また湯に戻った。しばらくして待合に戻っても、だれも来ない。こりゃ大変と、明かりの点いてる事務室をノックしても音沙汰がない。夜中に起こしても気の毒だ。大体間抜けな自分が悪いのだと思って、その後5時半まで8回湯に浸かった。これほど温泉を堪能したのは初めてだ。よほど体に効いたに違いないと思った。朝方ようやく起きて来た係りに事情を説明すると、驚いていた。何しろ8回も湯に浸かったので寒くなんかないや。そのままご来光の写真を撮影した。もうこの秘湯も来月になると封鎖するとのことだった。いやはや。